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私を私たらしめる世界が無くなる前に


今住んでるこの部屋を出るまで、凡そ半年を切った。
部屋を出たら今まで住んだことの無い土地に住むことになる。
まだ近くに会える距離にいる祖母とも会えなくなる。


両親はまだいいが、唯一気がかりなのは祖母のことだ。
加齢による認知症が進み、少し鬱傾向が強くなっている。去年の今頃まで、私は祖母と暮らしていたから分かる。祖母と私の性格はほぼ変わらないから。

数年前まで祖母の事なんか蚊帳の外だった。
無論、今でも自分のことだけで精一杯だ。嫁いだらどうなるんだろうとか、子どもが出来たらちゃんと育てられるのかなとか。将来何かあったら…とか。見えない先の不安ばかり考えてしまっている。
多分きっと私は心細いんだろう。初めての土地に行くのが不安なんだ。そう言い聞かせている。


コロナ禍に見舞われた去年の春先、今の部屋で一人暮らしを始めた。
当初は鍋も棚もカーテンもなくて、色々1人であれが必要だこれも欲しいとニトリやホームセンターを駆け巡った。
親がカーテンをくれたり祖母が毛布をくれた時は有難かったな。
1人で生きてこれたのは👓や祖母含め周りの支えがあってこそだと思っている。
1年休養に入ると決めた時には大分心配された。あの頃はそうでもしないと本当に精神が壊れると思って決めた。相談はしなかった。全部自分で決めた。
病気のことはやんわりと伝えたが、あまり理解はして貰えなかった。まあ理解が貰えるとは思ってなかったので、あまり気にしなかった。


そして今、私は半年後にはもう出る部屋の中で縮こまりながらこれを書いている。
この後私にはやることが沢山ある。新しいかかりつけ医を探したり、荷造りしたり。結婚したら出来ることも少しずつ増やさないといけないし。
👓のように「能登ちゃんは能登ちゃんのままでいいんだよ」と言ってくれる人に出会えて本当に良かった。


さあ、来年雛人形は飾られるだろうか。

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