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インパクトレポートとは〜インパクト設計の重要性とレポート公開企業一覧〜

はじめに

新年度に入り、人的資本に関する情報の有価証券報告書への記載が上場企業に義務付けられるなど、日本でも企業に非財務情報の開示を求める動きが本格化しています。
また、「企業がステークホルダー向けに開示する非財務情報を含んだ報告書」という観点からすると、統合報告書(2023年3月時点で約900社が公開)やサステナビリティレポートを公開する企業も多く、「非財務情報開示」について他社との差別化のための検討を進める企業も増えているとお聞きします。
そんな中で昨今注目を集めているのがインパクトレポートです。
「インパクトレポート」として発表するのではなく、他のレポートにインパクト要素をいれこむ形で開示に挑戦する企業も増える中、今回はインパクトレポートについて、及びインパクト設計の重要性を説明させていただきたいと思います。

各種レポートの特徴と、インパクト要素を取り入れる価値

インパクトレポートを知ろうとした際に、統合報告書やサステナビリティレポートとの共通点や違いが何か?を疑問に思う方もいらっしゃると思います。
全てのレポートの共通点としては、「企業が自社の目標や現状をステークホルダーに開示するための報告書」である点かと思います。
一方、当社が考えるそれぞれのレポートの特徴は以下のようにあげられます。

各種公開情報からトークンエクスプレスが独自に作成
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粒度を揃えるために上記では「インパクトレポート」という記載をしましたが、他のレポートにおいても「インパクト」をきちんと設計し、「インパクト」要素をレポートにとして取り入れる価値は以下のように挙げられます。

  • 他社との差別化

  • 企業が行う事業活動による社会的インパクトの提示ができる

  • 企業が目指す社会的インパクト(世界観)と行っている事業との紐付け

  • 社会的インパクトの成果を数値で表現できる

  • 採用時の企業の魅力アピールや、既存社員のモチベーション向上や離職率の低下

  • 事業を推進する上での社内外の協力者の増加 等

詳細はまた別の記事でご案内したいと思います。

レポートにインパクト要素を取り入れる際のススメ

そんなインパクト要素をレポートに取り入れたいと考えていらっしゃる方向けに当社がおすすめしたいのは、インパクトをロジックで設計し、指標として管理し、PDCAを実行することです。

上述のように、インパクトレポートは「変化」や「成果」に焦点を当てたものなので、まず、どのような変化・成果を生み出そうとしているか、設計する必要があります。
その上で紐づく事業活動と成果を数値で示すと、PDCAを実行することができ、さまざまなステークホルダーにとって分かりやすいレポートになります。

通常のビジネス設計の際はロジックで物事を考え、指標を追って(設定して)PDCAに取り組みます。「社会課題に向き合う」「社会をよりポジティブにする」「社会的インパクトのある」事業設計をしようとした際にも、事業の成果・インパクトをロジックで整理すると、より多くのステークホルダーとのコミュニケーションにおいて、説得力のあるレポートになる可能性が高くなります。

インパクトをロジックと指標で設計しないことのリスク

熱い想いをもち、素晴らしいビジョンをもとに活動を始めても、ロジックを設計せず、また目指す社会変化の指標を持たずに活動をはじめたために、結果として狙った効果を得ることができないケースもあります。

そのようなリスクについては、インパクトに関する業界のバイブル的書籍でもある「社会的インパクトとは何か -社会変革のための投資・評価・事業戦略ガイド」(マーク・J・エプスタイン、クリスティ・ユーザス著)でも詳しく述べられています。
例えば書籍には、米国のD.A.R.Eという薬物乱用防止プログラムにおいて、何百万ドルも資金をついやしたにも関わらず、後の調査の結果、プログラムの長期的効果に対する証拠が一切ないという事実が判明してしまった事例が紹介されています。

参照:社会的インパクトとは何か -社会変革のための投資・評価・事業戦略ガイド

結果、そうしたケースは場合によっては所謂「ウォッシュ」だと批判する人もいるでしょう。
インパクトはロジックで整理し、事業設計と同時にビジョン達成のための中間指標をたて、PDCAを繰り返すと、このようなリスクを軽減することができます。

公開されているインパクトレポート一覧

ここまで解説してきた、インパクトレポートやインパクト要素を用いたレポートを公開する組織についての一覧をご覧ください。
元々「インパクト」はソーシャルセクター(NPO等)やパブリックセクター(行政等)で長年重要視されてきたことはこちらの記事でもご紹介しましたが、現在は金融業界や事業会社でも注目されています。

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上表に記載の各組織が公開するインパクトレポートでは、インパクト界隈や当社サービスでもよく用いる「ロジックモデル」や「インパクト指標」の様式が取り入れられていました。
※ ロジックモデル、及びインパクト指標の用語についてはこちらの記事をご覧ください。

上表に記載の組織の他、株式会社静岡銀行五常・アンド・カンパニー株式会社もインパクトレポートを公開なさっています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
当社では、ビジネスを通じて社会に与えるインパクトを意識する企業を増やし、その結果、今以上にポジティブな社会変化を実現するため、インパクトレポートの作成やレポートにインパクト要素を取り入れる際のご相談、またインパクト設計やインパクト評価についてのご相談など、幅広く無料で承っております。
ぜひお気軽にご連絡くださいませ。
また、7月にはインパクトに関するオンラインセミナーも開催予定のため、私のTwitterや当社のPeatixページなどをフォローいただけましたら幸いです。

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