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chelmico【maze】プーさんのハニーハント説!?

ラップユニットchelmicoが2020年8月26日にリリースしたアルバム『maze』

このアルバム、最初から最後まで通しで聴くとめちゃくちゃ面白い!この面白さを独り占めするのは勿体ない!もっと知って欲しい!

そんな気持ちから、今回「maze」をnote読者の方々にご紹介します!

ぜひ最後までお付き合いください!

chelmico自信作の『maze』

リリース前、まみちゃんが

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とツイートするほどの自信作!

chelmicoがパーソナリティをつとめる「でもまだ土曜日」というラジオでは、

「あくまでもラッパー。トークのプロではない!」

とハードルを下げる決まり文句があります。

そのため一ファンとしては、チェルミコがかなり強気で出てくるのは珍しい気がしました。

つまり、2人にとって相当の自信があったmaze

一体どんなアルバムになっているのだろうと、発売前からドキドキワクワクしました。そして、先行リリースした「Disco (Bad dance doesn’t matter)」や「milk」、ラジオで流れた他の曲のshort ver.を聞いていく中で、「今回のアルバム、なんだかすごいそう」とハードルが徐々に上がっていきました。

そして発売日当日。

やっと待ちに待った「maze」が手元に届きました。まずは一通り聴こうと思い、歌詞カードを見ながら流してみたところやっぱりすごい。(語彙力)めちゃくちゃすごいんです!(語彙力)

一通り聞くことで、なんとchelmicoの頭の中を旅しているような気分が味わえました。

例えるならプーさんのハニーハントに乗っている気分!(どんな例え)

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子供の頃、プーさんのハニーハントに乗った時の記憶を思い出したのです。最初と最後は楽しかったのですが、途中プーさんが夢に迷い込んでしまうところだけが怖くてトラウマになったことを鮮明に思い出しました。

まさにそれです。

プーさんの夢の中を旅していると、自分ではどうしようもできず逃げられないという恐怖感と不安感が襲ってくるです。普通にプーさんのハニーハントについて話してしまいましたが、実はmazeのテーマも「子供の頃のトラウマ」なんです。あれ?もうmazeとはプーさんのハニーハントなのでは?

プープープープー言ってしまいましたが、mazeを一通り聞くことで、

『chelmicoと共に2人の子供の頃のトラウマに連れて行かれて、最後は現実に戻ってくる』という壮大なアトラクションを楽しめる!

というお話をしたいと思います。

1 Easy Breezy

「映像研には手を出すな!」のopに起用されたEasy Breezy。

今までのchelmicoにはあまりなかった

「どうせやるならめんどくさくなろうぜ、なるようにするのさ」

という前のめりな覚悟とやる気に溢れた曲です。『自分たちらしく活動していこう、ついこい!』といったようなchelmico らしい強気さも歌詞から伝わってきます。

また、爽健美茶やEasy Breezyなどchelmicoが多くの人の目に触れるきっかけとなるような曲は「明るい」ものが多いですが、2人の魅力は分かり易い「明るさ」だけではありません。曲中にも、

「こっちへおいでよ。一面からじゃ見せらんない。」

とあります。

さて、これからmazeを通してchelmicoのいろんな一面を見させてもらう旅に出かけますよ!(私はMazeをアトラクションだと思ってるのでね!旅に出かけますよ!)

2 Terminal着、即Dance

「タミナル着即ダンス、タミタミ、タミナル着即ダンス」

というキャッチーなメロディーから始まります。

この曲は2人が海外旅行に行く予定があり、飛行機の中で聞きたい曲として作られました。

異国情緒のあるトラックと癖のあるリリックは一度聞くと頭から離れません。

ここから2人と飛行機に乗り、「子供の頃のトラウマ」へと旅に出かけます。

3 jiki

なかなか会えないけれど「こういう時期」そしてそれも「別に悪くはない」とchelmico らしい、空虚感と包容力が入り混じった歌詞とメロディーが楽しめます。

「会ってない間も、会った時の想像して会った気になってる」

とあるように、少しずつ2人の想像、つまり頭の中に連れていかれるような感覚を味わえます。そして、jikiは「時期」という意味だけではなく、「磁気」という意味もあるのではないかと考えています。付かず離れずの関係性が特徴的な歌詞は、くっついたり離れたりする磁石に似ており、今は離れている磁気(時期)という言葉遊びなのでは?と私は勝手に解釈して楽しんでいます。

3 どうやら、私は

jikiの流れを受けて、落ち着いていてちょっと切ないメロディから始まります。

海を眺めながら昔を思い返し、懐かしむような情景が浮かびます。実際に2人が少し悲しかったり、辛かった過去を思い出しているような歌詞です。そして、

「強いそうだ、どうやら私は」

というサビを何度も繰り返します。

強い”そうだ”と、どこか他人事のように呟くところが印象的です。

Easy Breezyから見えた明るく強気なchelmicoのイメージとは打って変わり、実際には弱い自分もいるという繊細さが伺えます。

そして歌詞の中には、頭の中、記憶、夢などの言葉があり、jiki 同様2人の想像の中を少し覗かしてもらっているような心地になります。

4 maze

ここでアルバム名でもあるmazeを挟みます。

power以降のアルバムでは、アルバム名と同じトラックが必ず入っています。今回のmazeは、夢の中に誘われるような不思議なメロディーです。(なにがなんでもハニーハントに結びつけたくなっちゃってますね!)

5 Limit

「Do you Do you want to know」という特徴的な機械的な音で、mazeを聞いて眠ってしまった私たちは目を覚まします。(わたしたち?)感情が読み取れないような機械的なトラックと歌詞から、不気味さも感じられます。mazeで眠ってしまい、limitでは悪夢の中で目覚めてしまったような流れを楽しめます。

6 いるよ

limitで悪夢の中で目覚めてしまいましたが、いるよではその悪夢の中を旅しているような気持ちになります。

ハニーハントでいうなら遂にプーさんの恐ろしい夢の中に来てしまいました!

「いるよ」はchelmicoがまさにやりたかった「子供の頃に聞いたらトラウマになるような、記憶にひっかかるような曲」を最も再現していると思います。

「正常ってなんだ?正常ってなんだ?」

と大人もドキッとするような歌詞もあり、子供だけでなく大人もそのトラウマ感を楽しめます。

7 ごはんだよ

不思議なサーカス隊に巻き込まれしまったような、いんな楽器が騒がしく鳴っているクセのあるトラックで始まります。「いるよ」では、恐ろしいものから逃れようとしている感覚でしたが、「ごはんだよ」では悪夢にも慣れてきて好奇心を持ちながら、旅をしているような感覚を味わえます。

「さて、ここまでどこまでが現実でしょうか?」

という歌詞もあり、現実と虚構の境目も分からなってきました。まさにchelmicoの夢の中に迷い込み、旅をしていますね!はい!ハニーハント!

8 Premium・夏mansion

悪夢の中を潜り抜けると、なんとpremium・夏mansionに辿り着きました。陽気で楽しそうな歌詞とトラックは、まさに明るく盛り上がるサマーソングです。premium・夏mansionという一度聞いたら口ずさみたくなる魔法の言葉も魅力的。途中に入る子供の声も無邪気で可愛いです。2人と夏休みに、premium・夏mansionに遊びに来たような気持ちになれます。

9 Disco(Bad dance doesn’t matter)

Discoはコロナ以前の楽しかった記憶を呼び起こしてくれます。冒頭の、

「もう待ち切れないわ、いや家が好きだよ基本は」

というフレーズは、chelmicoの陰と陽がいい塩梅で表現されている気がしてとても好きです。

Premium ・夏mansionとDiscoは不気味な夢から覚め、普段とは違う非日常の旅へと2人と出かけているような高揚感が味わえます。

10 エネルギー

思い出野郎Aチームとのコラボ曲。思い出野郎Aチームらしさが前面に出ていて、とっても素敵です。音楽を全身で楽しんでいる感じがします。曲中では、

「持て余しているエネルギーを君と使い果たしたい」

と歌っています。早くchelmicoがエネルギーを使い果たすようなライブ、生で見たいですね!

「私だって、もっと、熱くなりたいよ〜〜!!(レイチェルVoice)」

という叫びも可愛いです。

少しずつ、2人の夢の中から現実へと駆け抜けていくような曲でもあります。

11 milk

milkはmazeで一番最初に先行リリースされた曲です。

テーマは優しい愛

まみちゃんの声と歌詞、メロディが優しくて、心がじんわりあったかくなります。milkはmvが意味深です。

元彼のことを思い出しているのか、今彼との心の距離を表しているのか、そもそも夢なのか。そう思うとやっぱり、mazeのアルバムの曲は全体的に夢が関わっていますね。夢と現実が曖昧です。「いるよ」や「ごはんだよ」などで旅をした夢の中から目覚めてもなお、日常生活の中で夢と現実を行ったり来たりしているような曲です。

12 GREEN

遂に最後はGREENです。

GREENでは交換日記のように、お互いに対する気持ちを歌っています。

歌詞は、まみちゃんのソロアルバム「Deep green」

に入っている「Lily」

の続きを感じさせます。

GREENという曲名に関して、ファンの方のある推測をご紹介します。

GREENの歌詞の中に

「君の目の色がblueだって、yellow だって」

とあり、青色や黄色が出てきます。

また、Lilyの中でも

「黄色い髪を揺らすlily(lilyとはレイチェルのことを暗示している)

という歌詞があります。

またDeep greenの中には、まみちゃんのソロ曲としてblue(青色)もあります。

つまり、これらの黄色と青色を混ぜるとGREENです!

こうして、最後には2人の日常が垣間見える曲で終わります。つまり、夢から現実に戻ってきました!プーさんのハニーハント説忘れてませんか?mazeはプーさんのハニーハントでしたね。(もちろん異論は認めます!)

ぜひ一度mazeを一通り聞いてみて、自分なりの楽しみ方を見つけてみてください!

最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。


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