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人の集う場所には、
歩くと軋む廊下。隙間風で凍える夜もあった。雨音がよく聞こえ、縁側の日向ぼっこが気持ち良い。温かくてどこか懐かしい。毎日世界中からゲストがやって来る、築100年の立派な母屋。ここでは、お米の研ぎ汁を使って雑巾掛けをする。掃除機よりも箒と雑巾がよく似合う建物。建物が“生きている“と感じたのは、初めてかもしれない。
宿泊したゲストと一緒にご飯を作ったり、食べたり。お裾分けしたり、されたり。キッチンには、have a good meal! Bon appétit! がよく飛び交っていた。たくさんの人と乾杯もした。最も多くの時間を過ごしたのは、きっと夜のバーだと思う。昨日も今日も、そして明日も、集う人は違う。“ずっと同じではない“ことは、常にその空間に新しい空気を運んでいた。
ゲストが頻繁に入れ替わるように、スタッフもかなりの頻度で入れ替わる。この場所の風通しの良さは、人の入れ替わりなんじゃないか。そう言ってる子がいて、確かにと納得した。
人がいる、人の想いがある。
それがある限り建物は息をし続けるのだと思う。そんな場所には、次々と人がやって来て、常に新しい空気を循環させている。いろんな人がいるからこそ、いつもよりも少しだけ自由でいられる。
私にとって、そんな場所だった。
195番目のヘルパースタッフとしてお世話になったゲストハウス。日本にまだゲストハウスが浸透していない頃から、いろんな人に愛されて、大切に守られてきた場所。その場所を築く一員になれてとても嬉しかった。
「あらゆる境界線を超えて、人々が集える場所を」
ずっと好きな、宿のコンセプト。
そんな場所が似合う人に、
そんな場所を創れる人になりたいなと思う。
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