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永遠小児科

 私は病院に行くのは慣れている。生まれてすぐから通い続けているから、もう注射も怖くないしむしろ定期健康診断をマメに受けているような感じだ。しかも小児科の先生は知識が広い。何か不安があったらなんでも相談できる先生がいるのは本当に心強い。あせもなど皮膚科の対応や、貧血時の対応までしていただいた。
 23歳の今も行くのは、小児科である。私は今更違和感なんて何もないのだが、「お母さんと来院」と書いてあるメモを見たりすると、ここは小児科だったとちょっと思い出すこともある。小学生たちに続いて身長体重を測ったときに読み上げられそうになったのが一番怖かった。
 小児科はきっと他の科とはまた違って、先生や看護師さんも患者のことをより第一に考えて仕事しているんだなぁと思う。椅子に座っただけで大泣きしちゃう子をどうやって検査するか。白衣の人は怖いという印象をどう突破するか。難しい仕組みや現象をどうわかりやすく説明するか。理解できるけどいきすぎず、かといって物足りない説明にせず、知ってもらうにはどこまで説明するか。23歳になっても本当に丁寧にしてもらってありがたいと思っている。
 今日行ったのは小児科ではないけれど、かかったウイルスは私ははじめてきく名前で、どうやら子供で流行る病気らしい。毎日電車に乗り続けて不特定多数とすれ違ってはいるし、定期的に会う人の中には子供たちとたくさん会っている人がいるし、この半年で間接接触人数は倍以上になっていると思う。そしてこの半年に私は毎月調子を崩し定期的に熱を出している。体改造計画を本格化せねばならない時だ。
 子供の病気にかかっちゃうかぁ私。まだまだ子供だもんね。先生が、検査の時間待ってもらった私に、とキャンディとチョコレートをくれた。さっき2歳児にあげてたじゃないか、私はやっぱり23歳児か。喉が治ったらいただきます、と伝え診察室を出てきた。なんだかちょっと面白かった。ふてくされずひねくれず、純粋に面白がれたのは、たぶん少しだけ大人の証拠だ。

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