近代の歴史を学ぶことについて

1.先入観をなくす

明治から終戦までの日本の歴史に関連する本を何冊も読んできました。雑誌、小説、専門書など興味に引かれて色々読んでいます。

そんな中で、不思議に思っていることがあります。

それは世間は、幕末や明治にかけて登場する人物を称賛することが多い。逆に、昭和に登場する人物には、あまりポジティブなイメージを持っていないということです。

特に軍人に関しては、この風潮が顕著に感じられます。確かに、小国であった日本を世界の表舞台へと導いた明治の指導者と、破滅的な敗戦へと導いた昭和の指導者では、その実績に大きな違いがあります。

私たちは、「結果」知ってしまっているので、イメージに差が出てきてしまうのでしょう。

また、私たちは昭和に起きた戦争にたいして深く反省をしなければならなりません。そのため、昭和の軍人に対し、「悪」のイメージを持ってしまうことは仕方ないのかもしれません。

しかし、先入観を持ちながら歴史に向き合うことは、極めて危険なことだと思います。歴史から教訓を得ようとするならばなおさらです。

なぜなら、歴史に登場する彼らが、生きて、何か事を成そうとしているそのときには、彼らは「悪人」でもなければ「善人」でもないからです。私たちと同じ「普通の人」です。

彼らは「悪人」だから失敗をもたらし、「善人」だから成功をもたらしたわけではありません。それぞれの価値観や能力、立場、彼らを取り巻く情勢などに突き動かされて行動しているだけです。

ですので、私たちが歴史を学ぶ際には、先入観を捨てなければなりません。彼らと同じ目線で、自分だったらどうしたのかと考えてみることも、良いかもしれません。

2.後だしジャンケンをしない

しかし、彼らと同じ目線に立つことは、簡単ではないでしょう。なぜなら、私たちは歴史の結末を知ってしまっているからです。

この戦争には負ける、この作戦は失敗する、この国策は誤りである、等々、私たちは結末を知っているが故に、本当の意味で彼らと同じ目線にたつことは難しいのです。

例えば、自分を昭和陸軍の一員であると仮定してみましょう。この場合、満州事変後に日本が孤立することや、日中戦争が泥沼化することなどを私たちは知っています。

はじめから、これらの「過ち」を回避するように歴史を顧みてしまうことは、あまり意味を持たないでしょう。

なぜなら、それは『後だしジャンケン』をしているに過ぎないからです。反則技です。

本当に大切なのは、自分も彼らと同じような行動をとることが、十分にあり得ると自覚することです。また、私たちが彼らと同じ時代に生き、同じ環境と情勢の中で活動していた場合、自分自身がどのような思想に基づき、どのような行動をとるのかを考えることではないでしょうか。

3.私の投稿記事に関して

ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。

今後の私の投稿記事は、昭和陸軍についての投稿がメインとなります。特に第一次世界対戦から、日中戦争に至るまでについての投稿が多いかと思います。

(1)満州事変などの出来事        (2)人物紹介              (3)政党政治との関わり

などに分けて投稿していきます。

考察には正解はないと思っているので、ご意見ご感想をいただければ幸いです。

また事実と違う内容がございましたら、ご教示ください。



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