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【絵本 すてきな三にんぐみ】~こわいのかな?こわくないのかな?

【並べて楽しい絵本の世界】トミー・ウンゲラー①

トミー・アンゲラー 作
今江 祥智 訳
偕成社 出版社

【並べて楽しい】をテーマに絵本を選ぼうと思っています。

今回おすすめの本について、もう大人になった娘達に聞いてみました。
何が印象として残っている?

さっちゃん (育児中) は
タイトルにある通り、こわいのかな?こわくないのかな?でもすてきって言ってるし…
という事でお話しに引き込まれていったようでした。

あやちゃん (デザイナー) は、即座にデザイン性!泥棒がカッコいい!と答えてくれました。

この記憶は脳内で修正を重ねて現在残っている本の印象ですよね。しっかりと定着している。

では、読んであげていたお母さん (私) は?というと、
★「強烈な風刺」でした。
問題だらけの社会をこんなに楽しく描いてくれている絵本ってない!

孤独な子どもたちの背景にある、様々な胸のいたくなる問題・・・
こんなすてきな三にんぐみが ほんとうに必要・・・

彼らのしていたことは、目つぶしにコショウ、馬車の車輪をまっぷたつという容赦ない仕業
らっぱじゅうをかまえて 手をあげろ!
ほんとにコワイ・・・

でもお話しの展開のカギはここ。
みなしごのティファニーちゃんは知っている!
”この おじさんたちのほうが なんだか おもしろそう” 

ティファニーちゃんをきっかけに、山賊どもは孤児救済にかけ廻ることになるのですが、半円形の中に点を描かれただけの、三にんの目の表情がとっても豊かです。

どうするつもりもなく強奪してきた宝を前に、ティファニーちゃんを見ている時など、泣きそうになっています。
あかちゃんを抱きあげる姿もすてきです。

「すてきな三にんぐみ」なのです。

人は人生の場面場面でこういう思いをして、こういう目をすることになるよなぁ、なんて大人は思います。

巻末の作者の紹介を読んでみると、アンゲラーの個性がのぞけます。
この作品を娘さんに捧げるなんて、それこそ
すてきなおとうさん!

~並べて楽しい絵本~ NO.1








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