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【絵本レビュー パパ、お月さまとって!】

しかけ絵本の楽しさの原点。横にながーく開く、縦に長ーくのびる、そしてバッと大きく開く。心も大きく開き、明るくあたたかくなる。

【並べて楽しい絵本の世界】

絵本読書をするときに、きっかけとなるものが年齢とともに変わってきました。きょうの一冊です。

パパ、おつきさまとって!」は子どもたちに長年愛されてきた絵本で、申し分なく楽しい絵本です。

満月、ハンターズムーンを迎えた今日、この絵本を思いだして手に取ったきっかけは、巻末でも目にした、エリック・カール氏のお父さんとしての思いでした。

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娘さんが幼い頃に、パパにお話を作ってもらい、そのスケッチを大切にとっておいたこと。

成人してお父さんのもとをはなれて暮らす娘さんが、ちょっと落ち込んだ気分の時に、お父さんが幼い自分に描いてくれたそのスケッチブックを取りだしてみたこと。

そして、明日もがんばろうと勇気を得て、そのことを、はなれて暮らすお父さんに手紙で伝えたこと。

それがきっかけとなって、この絵本ができたこと。


これは、父と娘の心の交流のすばらしさと、インスピレーションから生まれた、愛しい本だということ。

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仕掛け絵本の名手と言えば、この人です。

愛する娘さんに「パパ、おつきさまとって!
と言われたお父さん。ながーいはしごをだしてきて、高い山に立てかけて、おつきさまをとってこようと登っていきますが、おおきなおおきな まん丸のおつきさまは、とても娘に持って帰ることはできません。

四方向に開いてみると絵本のページの倍にもなる満月は圧巻です。

おつきさまは、いいます。
自分はだんだん小さくなっていくので、その時に連れて行ってください。

お父さんは、そのとおりにします。

娘さんは小さくなったお月さまと楽しく過ごします。
でも、お月さまは、もっともっと小さくなってしまって、ある日消えてしまうのです。

数日後、空にほそく輝くお月さま。

そして、それはまた、どんどんと大きくなっていって、ふたたび、まあるく輝くお月さまになります。

エリック・カールの娘さんは、とても気持ちが落ち込んだ時に、楽しく遊んでいたのに、手の中から消えてしまったお月さまを思い出したのかもしれません。

そして、パパの描いてくれたながーいながーい はしごを思い出し、大きく輝く満月を思い出して、勇気づけられたのだと思います。

しかけ絵本で、ページをはみ出すほどのパパの愛情の大きさ、それを受け取る娘さんの心の豊かさに、たっぷりと浸ることのできた、今日の一冊でした。

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