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【絵本レビュー だってだってのおばあさん】

おばあさんと猫の愉快なやりとり。なんだって気持ちしだいさ。思い込んだ方の勝ち。

【並べて楽しい絵本の世界】


5歳のねことくらすおばあさん。
おばあさんは98歳でした。

ねこは まいにち ぼうしをかぶって、
ながぐつを はいて、つりざおを もって さかなつりに
いきました
ねこは まいにち、
「おばあちゃんも さかなつりに おいでよ」と さそいました
おばあさんは
「だってわたしは 98だもの、 98のおばあさんが さかなつりを したら にあわないわ」と ことわりました。

元気な5歳児は、毎日たくさんのさかなを釣ってかえってくるので、おばあさんが、どうやって とってくるんだい?ときくと、

「おばあちゃんも、いっしょにくれば ぼくが さかなを とるところ みられるのに」といいました。

でも、おばあさんは一日椅子に座って 豆の皮をむいたりして過ごしているのです。

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私は82歳の母と暮らしていますが、やはり「だって」や「でも」が多いのです。「お散歩しようよ」と言っても 出かけません。
テレビをつけっぱなしで 居眠りなんかしている姿をみると、やりきれない気持ちになるのです。それで、私が犬の散歩から帰ってくると、「どこ 歩いてきたの、おりこうちゃんね」なんていいます。

どこを歩いてきたのか 説明したって、わからないのに・・・なんてこころの中で毒づきたくなることもあります。

娘としては「だって」とか「でも」なんて言ってないで、興味のあることを、自らすすんでやってみてほしいな というのが本心です。

だから、ちょっと意地悪なきもちで、この絵本を母にも読んでもらいました。

でも、でもね。絵本のあとがきに、佐野洋子さんが書いているのです。

だって、おばあさんは一番たくさん子どもの心を持っているんですもの

だから、たくさんのおばあさんに、この絵本を贈りたいのですと。

ちょっと反省しましたね。ちょっとだけ。
やっぱり娘は ちょっと意地悪なきもちになってしまうけど、
この5歳児の猫はとっても自然におばあさんに接している。
めげることなく おばあさんを何度でも誘う。


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さて、おばあさんの 99歳の誕生日がやってきて、おばあさんの得意のケーキを作ってお祝いすることになりました。
ねこは99本のロウソクを買いに出かけますが、途中で落としてしまい、ロウソクはたったの5本になってしまいます。

5本のロウソクでお誕生日のお祝いをしたおばあさんは、その日から5歳になってしまいました!

5歳のねこと、5歳のおばあさんの 楽しいさかなつり
川だって飛び越えちゃう
エプロンでおさかなもつれちゃう

ほら、たのしいじゃない。
ほら、居眠りしてないで、お外にいこうよ。

来年もロウソクを5本買ってきてね、というおばあさん。


ああ私も もう少しだけやさしく、めげずに何度でも 声をかけるようにしよう。
そんなふうに思いました。

ねこの言うことが かわいいのです

「でも、おばあちゃん 5さいでも ケーキつくるの じょうず?」

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私のほうが「だって、どうせやらないじゃない。」

にこだわっていたのかもね

やさしい気持ちが足りないかもね

だって だってを言わずに毎日を過ごそう。

今日もいい一日になりますように。

お読みいただきありがとうございます。

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