Margot Benacerraf『Araya』アラヤ半島、塩との生活
カンヌ映画祭コンペ部門に選出された数少ないベネズエラ映画の一つで、同じくコンペに並んだアラン・レネ『ヒロシマ・モナムール(二十四時間の情事)』と共に国際批評家連盟賞を受賞した。舞台はベネズエラ北部に位置する不毛の地アラヤ半島。ここでは何も育たない反面、海から得られる塩だけは豊富に存在し、それが金と同等の価値を誇っていた時代に大変重宝された。当時スペイン帝国によって築かれた堅牢な要塞は450年経って放置されたまま、残骸を陽光に晒している。人々は貴重な塩に見向きもしなくなったが、