Gust Van Den Berghe『Lucifer』丸いフレームから覗き見るルシファーがもたらした混沌
傑作。真ん丸のフレーム。最初に映し出されるのは空を仰ぎ見る魚眼の映像だが、中心に集まった白い雲と外周に追いやられた黒い大地をジッと眺めていると、それは南極大陸のようでもあり、つまり地球を南から覗いているようであり、やがて白んだ真ん丸の画面に現れたのは堕天して地上に降り立ったルシファーだった。覗き穴のような真ん丸のフレームは、地獄へ行く経由地として地上に降り立った元部下を眺める視点を持ち、魚眼映像は全てを見渡す=全知全能としてそれに応えている。しかし、覗き穴は覗き穴として狭い領