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ベルリン国際映画祭コンペ選出作品たち

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カンヌ映画祭のコンペ制覇にあわせて、ベルリン映画祭のコンペもゆるゆると書いていきます。2020年から始まったエンカウンターズ部門の記事も入れます。
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2021年5月の記事一覧

ティム・サットン『Funny Face』地域開発業者、ヴィランになる

束縛してくる叔父夫婦の家から飛び出したイスラム教徒の少女ザマと、祖父母に厄介者扱いされる青年ソールの逃避行。といってもニューヨークからは出ず、生まれ育った街を破壊する不動産業者に一泡吹かせてやろうとするソールにザマが付き添う形で物語は展開していく。一言でまとめてしまえば、アンチ・ジェントリフィケーション映画である。ソールはバスケ好きらしく、ニュージャージーから本拠地をブルックリンに戻してきたブルックリン・ネッツが気に入らない様子で、応援しているニューヨーク・ニックスに自分を、