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ベルリン国際映画祭コンペ選出作品たち

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カンヌ映画祭のコンペ制覇にあわせて、ベルリン映画祭のコンペもゆるゆると書いていきます。2020年から始まったエンカウンターズ部門の記事も入れます。
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2020年11月の記事一覧

C.W.ウィンター&アンダース・エドストローム『仕事と日(塩谷の谷間で)』ある集落の日常と自然の表情

今年のベルリン映画祭で初めて導入されたエンカウンター部門で最優秀長編映画に選ばれた8時間の美しい記憶の物語。原題は"(塩谷の谷間における塩尻たよこの)仕事と日常"であり、監督の一人アンダース・エドストロームの義理の母親である塩尻たよこを中心に、京都府の山奥にある人口47人の限界集落における人々の日常を丁寧に紡いだ作品。足掛け14ヶ月に及んだ撮影は、春夏秋冬様々な顔を見せる自然と隣り合わせの中で、過去の記憶を抱えながら静かに、時に騒いで暮らす人々の姿をじっくりと描き出していく。