ワン・チュアンアン『Öndög』死体と卵と"生命の循環"
初選出で金熊賞を受賞した『トゥヤーの結婚』以降三作品もベルリン映画祭に作品を送り続けているワン・チュアンアンの監督最新作(七作目)。"人間の目で見える物が必ずしも現実とは限らない"という印象的な文言で始まる本作品は、その言葉を発した猟師らしき男が別の男と二人でバギーに乗って、真夜中のモンゴルの荒野を爆走し、全裸の女性死体を発見するというノワール映画のようなシーンから始まる。しかし、以降この事件について掘り下げられることなく、荒野に放置された遺体を一夜だけ狼から守ることになった