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アフリカ映画

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自身の映画記事のうち、アフリカ映画に区分されるものをまとめています。ロシア、ハンガリーに比べると競争率は高めですが、頑張ります。
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2019年6月の記事一覧

スレイマン・シセ『The Young Girl』バマコの生活と抑圧された女性たち

サブサハラ・アフリカ地域の映画監督として世界的に成功した監督は、雑に言えばセンベーヌ・ウスマン(セネガル)、イドリッサ・ウエドラオゴ(ブルキナファソ)、ジブリル・ディオップ・マンベティ(セネガル)、アブデラマン・シサコ(モーリタニア)、そしてマリ出身のスレイマン・シセだろう。彼らの作品は日本でも紹介されることが多いんだが、その多くが特集上映やVHSでのみの入手となっているのが辛いところ。というわけで、今回はスレイマン・シセについてご紹介しよう。 シセは1940年4月21日、

シャディ・アブデルサラム『王家の谷』倫理的な正しさが本当の正しさに変わるとは限らない

アフリカ映画の中でエジプト映画というのは比較的諸外国で公開されてきた内に入るだろう。それもそのはず、1940年代から60年代に掛けてエジプト映画の黄金時代がアフリカ映画の世界への飛躍を支えたのだ。この時代の監督として有名な人物はユーセフ・シャヒーン(Youssef Chahine)やHussein Kamal、Salah Abu Seif、Henry Barakat、そして本作品の監督であるシャディ・アブデルサラム(Shadi Abdel Salam)などがいる。ちなみに、本