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【書評:☆☆☆☆★】入門数理統計学

※定価は4,800円です。

書名に「入門」とありますが、Google検索で「統計学 初心者 おすすめ書籍」で検索したときに、まず出てこないであろうこの一冊。

読み始めたのが8月末なので、のらりくらり3か月かけて読み終え(目を通した?)ました。

本書の初版発行は1978年と統計学における古典的名著で、私の手元にあるのは第35刷とこれまで何度も増刷されてきたことがわかります。

おそらく1970年代に統計学を学ばれた方々は本書の原著で学び、それをもとにして日本語の統計学の書籍が書かれていったのではと勝手に歴史を妄想しながら読みました。

内容については、これまで学んだ内容を再確認できたのもよかったし、積率母関数や最尤推定について新たに理解できたのが収穫でした。ただ、これらはそもそも統計検定2級のレベルを超えているので、その試験対策としては向かないと思います。

さらに微積分はどうにかついていけますが、微分方程式がわからないと進めないところは飛ばしました。他にもネイマン・ピアソンの定理、尤度比検定、変数変換、ノンパラメトリック法など、おそらく統計検定準1級以上の範囲になってくるであろう内容が後半の1/3を占め、明らかに今の私にはオーバースペックであり、だいぶ流し読みになってしまいました。

あと、練習問題の豊富さがウリの本書ですが、すべて飛ばしました。ホーエル先生すみません。

というわけで、統計学にはまだまだ底知れぬ深淵なる世界があることを思い知らせてくれる一冊でした。

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