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【書評:☆☆☆★★】異端の統計学 ベイズ

まず何より、文庫のくせに650ページという厚さ。

村上春樹の小説なら間違いなく上下巻に分かれていることでしょう。

本書は数理数理している統計学の勉強に、ちょっと疲れたときに見つけて読みました。

ベイズ統計学というのは比較的新しい統計学のジャンルで、本書を読むと、統計学と認められるまでに紆余曲折があったことがわかります。

第二次世界大戦時にドイツのエニグマ暗号を解読したアラン・チューリングを題材にした「イミテーションゲーム」という映画がありますが、そのチューリングが暗号解読に使用したのがベイズ統計学で、最近ではAI、機械学習という分野の根幹をなしていると言うと、そのすごさが想像できるかなと思います。

ちなみに、統計検定2級では古典的なネイマン・ピアソン統計学が対象であり、ベイズ統計学については「ベイズの定理」が一瞬出てくる以外は触れられておらず、発展的な分野になります。

本書を読み終えておもしろかったかと聞かれたら、うーんどうだろう、統計学の歴史に触れることはできたけど、面白いとは違うかな。でも統計学に興味のある方は、どの時代にどんな偉人たちが活躍していたのかを知るよい資料だと思います。

そう、本というより資料かも。


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