20231008

 雨が降って急に気温が下がった。秋がこのまま来ずに終わるのか、そうならないことを祈る。埼玉県で小学三年生以下の子どもを一人にしてはならない、「虐待禁止条例」の改正案が波紋を呼んでいる。九月に自民党県議団による提出が行われた。登下校の一人禁止、その他、外出も一人は禁止で常に保護者による付き添いが義務付けられる内容で「現実的ではない」という反発の声が上がっている。確かに共働きが通常となった現代において、小学三年生になるまでどちらかが一日中子どもの面倒を見るというのはほぼ不可能で、どちらかが家庭に入るか、親戚を頼るか、家政婦のような人間を雇うしか方法はないだろう。その一方で、鍵っ子、今でいうヤングケアラーのような深刻な問題もある。しかし、その解決法として罰則を強化する方に向くのは違う気がする。イギリスでは未就学児を一人で家に置くのは違法なのでナニーと呼ばれるベビーシッターのような人間を雇うのが通例で、彼らには社会保険も適用されるのでかなり高額な費用を負担する。それが可能なくらいには最低賃金が保証されている状態がそれを可能にしている。やはり、子どもを一人にしないようにできる環境づくりが行政には求められているのが現状ではないだろうか。もしくは給料の底上げで、誰でも子守が雇えるくらいの経済状況をつくる国の責任の方が大きいだろう。

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