『学術書を読む』を読んで

 どうしてこの本を読もうと思ったのか覚えていない。最近読んだ何かで見かけたのだと思うが、残念なことだ。そういうことがままあるから、どこか検索しやすいところに書いておこうと思ってここに書いた。
 それと、この本で三中信宏氏のことばとして「本を読み終えたら書評文を書く」というものが紹介されていた。書評なんて気の利いたものは書けないが、記憶をたどるためのとっかかりになるものとして書いておこう思う。

 表紙に「わかりやすい本には、落とし穴がある。」と小さく書かれている。わかりやすいがもてはやされている昨今、それでいいのかなぁと思っていたので、"いいね"したくなる。
 著者の鈴木哲也氏によれば、「わかりやすい」が本の題名に使われるようになったのは1970年代だそうだ。そして、それが盛り上がるのがバブルの時代。その辺の時代の変遷が紹介されていて興味深い。

 もうひとつ大変参考になったのはインパクトファクターについて。評価する側はありがたがっているが、評価される側やノーベル賞受賞者から問題を指摘されている論文引用回数の指標。評価する側が中身がわかってないだけでなく、評価とコンサルのマッチポンプで税金がそこに飲まれていく構図があるという。
 それと、研究者が上辺の数字で評価されるのは、教師が点数で学生を評価してきたことが時空を超えて自分たちに降りかかって来たので自業自得かもしれない、という意見が紹介されていて考えさせられました。

学術書を読む 鈴木 哲也
https://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=5145

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