見出し画像

馬術を通して、オリンピックを考える。

東京2020オリンピック馬術

もともとオリンピックを見る気はあんまりなかったのですが、唯一、動物が参加する競技の馬術だけは気になっていたので、それだけ見てみました。

とにかくお馬さんがかわいい!一生懸命!特に、馬場馬術では選手がどこで指示を出しているのか分からないぐらい、馬が勝手に動いているように見えて、人馬一体とはこのことかと感動しました。

クロスカントリーでは撮影に一部ドローンが使用されており、疾走感のある迫力満点な映像に度肝を抜かれる瞬間もありました。

そうして馬術を純粋に楽しむ中、総合馬術のクロスカントリーで、スイスのロビン・ゴーデル選手が騎乗するジェットセットが競技中に負傷し、残念ながら安楽死となってしまいました。​

安楽死について批判している方もいらっしゃるようですが、どんなに手を尽くして命を永らえさせても、結果として馬を苦しめるしかない場合のみ安楽死が選択肢として上がってくるので、オーナーの方や選手も含めて、皆さん断腸の思いで決断されたかと思われます。とにかくジェットセットのご冥福をお祈り申し上げます。

馬術のクロスカントリーがこんなにも過酷で危険だとは思わず、ひたすらワクワクしていた自分を恥じるとともに、毎回、こんなことがあるのかしらと疑問に思いました。

今回のジェットセットのように、安楽死になってしまった馬がいたのかは見つけられませんでしたが、東京2020オリンピック、リオオリンピック、ロンドンオリンピックにおいて、クロスカントリーで棄権や途中棄権した人馬の数を数えてみました。

【東京2020オリンピック】棄権:3 途中棄権:2 (※不明:1)

【リオオリンピック】    棄権:2

【ロンドンオリンピック】  棄権:1 途中棄権:2

※棄権や途中棄権など明記されておらず、競技に出ていない場合を不明と称しました。(本当に何があったんだろう)

私自身初めて馬術を見たので、素人の感想なのですが、なんとなく棄権や途中棄権になった人馬が他のオリンピックよりも多いように思えます。そして、今回の競技開始は7:45でしたが、10:00以降に途中棄権や棄権が多くあったように記憶しております。

素人考えなので当たってないと思いますが、日本の夏の暑さが一因としてあったのではと、思わずにいられません。馬は暑いのが苦手ですし、選手もしっかりとユニフォームを着込んでいて暑そうでしたし(それなりに暑さ対策はされているとは思うのですが)。

そういうことを考えていたら、本当にオリンピックをやってよかったのだろうかと頭を抱えてしまい、クロスカントリー以降、楽しく見ることができなくなってしまいました。

エンブレムや競技場の問題から懐疑的な気持ちを抱いていましたし、新型コロナの蔓延が収まらない中、開催ではなく中止の方がよいのではないかと考えていました。費用の面でも、最もお金のかからない五輪にすると言いながら、とんでもない額になってしまいましたし……正直、馬術の障害物もあんなにゴテゴテする必要があったのかとも思います。そして、日本の夏は温暖で理想的な気候と言って誘致したことも、騙したようで申し訳ないとすら思います(個人的には、日本でオリンピックをやってほしいとは全然思ってないんですけど)。

世界各国の馬術を見られたことは僥倖でしたが、「やっぱりオリンピックをやってよかったね」とは、到底思えません。

全ての人と馬が無事に競技を終え、コロナに感染することなく帰国してほしいと願っていましたが、それが叶わず非常に残念です。

開催前にはオリンピックは中止にすべきではないかとテレビで流れていたのに、始まった途端、オリンピック万歳とでも言うようにガンガン放送していましたが、終わった後はオリンピックの反省点をしっかり調べて放送してほしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?