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自転車で8分の所にいる推し

チャラン・ポ・ランタンが静岡に来る。しかも家から自転車で8分のグランシップ静岡に来る。ということを知ったのは、そのイベントが行われる前日のことだった。

ゴジラ伝説。怪獣には詳しくない私だが、ゴジラが何なのかくらいはなんとなく知っている。あれだろ。ビルよりでっかい怪獣だろ。すみませんそれくらいしか知りません謝ります。

慌ててゴジラ伝説の公式HPを見ると、予約分は満席だった。

どうしよう。明日チャラン・ポ・ランタンが来るのに。家から自転車で8分の距離なのに。せっかく生でポ姉妹を拝めると思ったのに。

会場に電話をかけた。「主催者のホームページでお問い合わせください」と言われた。ホームページへ行ってみた。4回ほどかけてみたが、電話は繋がらなかった。

だが私はまだ諦めない。どうしても推しを生で拝みたい。あれこれと調べてみると、イベント会場の公式Twitterを発見した。『当日券は僅かですがご用意してあります』とあった。

よしっ。とにかく明日は早起きして、早く会場に行って、当日券を取らなければ。

その日はポ号(ファンクラブ)のメインチャットに「当日券取れますように」的なことをボヤいてから眠った。

🎫

当日の朝はミニオンズの目覚ましより早く目が覚めた。今日ばかりは身体がダルいなんて言ってられなかった。全ては当日券のため。

朝ごはんを食べ、歯を磨き、身支度を整える。相棒のスヌーピーの腕時計も忘れずに。全力で自転車を漕いで会場へ向かった。

🚲💨💨💨

会場へ着いたのは9時2分前。自転車を止め、転ぶと嫌なので早歩きで中へ入る。

息を整えもせずにスタッフさんに「あのっ、ゴジラ伝説の…当日っ券って、まだ、ありますか?」と聞いてしまったせいで、何回か聞き返されてしまった。ちゃんと息を整えてから聞けばよかった。

3回目くらいには聞き取っていただけたようで、「それでは係の者が来るまでこちらでお待ちください」と言われた。

私が1番最初の待機人だった。
天運我に有り。

👶🏻👧🏻👦🏻👩🏻👨🏻👵🏻👴🏻

待ち始めてから1時間ほど経った頃、スタッフさんにパンフレットを頂いた。暇つぶしにタイムスケジュールでも眺めてみるか、と後ろのページを見てみる。

いた!

見えるだろうか。もう少し大きくしてみる。

やっぱりいた!
夢じゃなかった!

あと30分で推しを拝める。いつも画面越しに見聞きしているあの歌声を、音を、生で味わえる。

ときどきスタッフさんが中に入ったり出たりするために扉を開けるのだが、その中から何やら迫力のある音楽が聞こえる。

母に「こんな歌だった」とボイスメッセージを送ると、「ゴジラのテーマだよ」と教えてくれた。

あの音楽がゴジラのテーマだと分かっただけでとんでもなく嬉しくて、心臓がバクバクする。もうすぐだ。もうすぐ私は、チャラン・ポ・ランタンに会えるのだ。

🪑🪑🪑

係の方に案内してもらい、演奏が行われるホールの中に入る。

入るとまず、いくつかのブースがあった。お客さまアンケートをを受け取るところ。物販。静岡の色々な職人さんの展示コーナーなどなど。席はその奥にあった。

真ん中辺りの、左から2番目の席に座った。待機中は現地の様子をツイートしたり、ステージの写真を撮っていた。

斜め横から撮ったステージ。奥の方に、小春ちゃんの赤いVアコーディオンが見える。
正面に行って撮り直した。このアコーディオンはミスチルのツアーでも使用していたものだ。赤という色がどこかオモチャっぽくて可愛らしい。

場内アナウンスで『チャラン・ポ・ランタン』というワードが聞こえた。それだけでもう嬉しい。

いよいよチャラン・ポ・ランタンに会えるのだ。ドキドキしながら始まるのを待った。

【ここから先の注意事項】
こめつぶは当日、ゴジラ関連のことを全く調べせずにイベントへ足を運びました。
会場で色々とお話は聞いたのですが、情報量が多過ぎて既に若干忘れかけています。
どこの音楽がどこのシーンかもあまり記憶にないため、別々のものが混ざっていることもあるかと思います。
ここから先は「確かこんな感じだったよな」というふわふわした内容になっていますが、悪しからず。

🦖🏢🔥🦍🌊🐙

始まりは静かな語りから始まった。

街に突如現れた怪獣、ゴジラ。一瞬にして命を奪われる人々。その恐ろしさを、音楽が伝える。

この時のことは夜になった今でも忘れられない。スピーカーから大音量で流れるゴジラのテーマ。それが地面を通して、私の身体全体に響き渡った。

お腹から心臓の辺りまで、重低音がずうんとじいんと響くのだ。あまりの大音量と迫力に、私は恐ろしさを感じてしまった。膝の上に置いた小さなカバンの持ち手をギュッと握り、目を見開いていた。演者たちの後ろから、今にも本物のゴジラが現れるのではないかと思った。

曲が終わり、しばらくするとチャラン・ポ・ランタンが登場した。おそろいのブラウンっぽい花柄の服を着ていた。目線を合わせ歌い始める。何の歌だったかは覚えていない。ただ2人の歌声と、Vアコーディオンの音色に息を飲んでいた。その曲の歌と演奏が終わると、2人はくるりと後ろを向いてハケた。

↓2年前のゴジラ伝説の動画。1番最初のシーンの歌を歌っていた。

次はゴジラVSキングコングのシーン。かつてゴジラは、キングコングと戦ったことがあるのだという。更にそのキングコングは、大ダコとも戦ったと。へえ。知らなさ過ぎて「へえ」という感想しか出てこない。

この音楽に私はまた震え上がった。ゴジラやらキングコングやらの雄叫びと共に、『ヒュウウウウウウウ』という幽霊の声のような音も聞こえたのだ。

こっっっわ。なに、この会場って幽霊でもいるの?こわい。めっちゃこわい。なんなのこの音。

ステージを見ると、真ん中にいるロシア帽のようなものを被ったおじ様がしきりに手を動かしていた。よく見ると、おじ様の手の動きに合わせて幽霊の音が高くなったり低くなったりしている。

なんだ、おじ様の魔法か。
途端に怖くなくなった。

【追記】(2023/03/13)
ポラーさんからいただいた情報。ロシア帽のおじ様が演奏している楽器はテルミンというものだそうです。

演奏中、演者の後ろに大きな白いものが浮かんで(正確には数人によって支えられて)いた。白くて細いものを何重かにまあるく重ね、太めの先っぽには竹ひごのようなものがついている。

もしかして…あれが大ダコ?

そしてその大ダコの周りでは、でっかいススキのようなものを持った男性がワタワタと走り回っていた。「えいっ」というふうにススキで大ダコを突いてみたり、怯んだり。

あのススキで大ダコを倒そうとしているのかな。人員と武器、足りるのかな。

そんなことを冷静に考えてしまった。

曲が終わったあと、司会の方が「大ダコの皆さん…いや、大ダコは1匹だけですね。大ダコさん、ありがとうございました」と言っていたのがツボだった。

👸🏻❤️

次の曲は海底軍艦に関するものだ。ここのストーリーも覚えている限り書いていこうと思う。

昔、ムウ帝国という独裁国家があった。様々な国を従えて戦争を起こそうとしていたムウ帝国だが、そこへ海底軍艦の乗組員が説得に来る。だがムウ帝国の女皇帝はそれを受け入れず、従えていた国々を滅ぼしてしまう。

確かこんな感じのストーリーだったと思う。確か。確かだよ。

ストーリーの解説が終わると、ステージにももちゃん演じるムウ帝国女皇帝があらわれた。

↓ムウ帝国女皇帝はこの投稿の5枚目。

第一印象は「真っピンクだな」だった。なんでこんな感想しか出てこないのだろう。ポラーとしてもう少し語彙力のある感想が湧いてこないだろうかと、自分の語彙力の無さに悲しくなる。

観客に向かって「無駄な抵抗は止めよ!」「ムウ帝国に勝てるつもりか!」と冷たく言い放つももちゃん。

「今のももちゃんはももちゃんじゃない、ムウ帝国の女帝だ」と思った。女帝がももちゃんに取り憑いている。私は『取り憑かれたももちゃん』が大好きだ。そこにいるのは本人だけど、本人じゃない。そんな演技をするももちゃんが大好きだ。

観客席でひたすら縮こまりながら、ちっっっちゃい声で「はい」(従いますの意)とか「滅相もございません」(勝てませんの意)とか呟いていた。どのようなオタクでも、推しの前では何も言えなくなるのだ。

🧚🏻‍♀️🧚🏻‍♀️

ここで10分間の休憩があった。席を移動できることを知ったので、この間に素早く席を移動する。

前より近い席!

ステージの上から見て1番右の前から2列目、右から2番目に座った。メガネをしていてもあまりハッキリとは見えなかったステージの様子が、3m(5mかな?)ほどにまで近くで見えた。

休憩後の最初の曲は、私がずっと聞きたかったモスラの歌だった。

チャラン・ポ・ランタン演じる小美人(しょうびじん)は、双子の妖精。島の管理人によって見世物にされてしまった小美人。私たちはその観客という設定だった。

アコーディオンを持たずに歌う小春ちゃん。黒髪の小春ちゃん。いつもより前髪が長い小春ちゃん。

手持ちのマイクではなく、スタンドマイクで歌うももちゃん。いつもより長い髪の毛のももちゃん。設定上あまり笑顔ではないももちゃん。

線対称のような髪型と衣装の2人。裸足でステージに立っている2人。

どこを切り取っても新鮮だった。

近くで見た2人は想像していたよりと小柄で、でもとっても可愛くて、とっても美人だった。

先ほどよりも席が近いので、「あ、今目線をあわせたな」とか「手を繋いだ!」とか「歌う時の口の開け方が違うんだな」とか細かい動きが見えるのが嬉しかった。

2人とも歌の声量がハンパなかった。ももちゃんの声量が大きいのは分かっていたのだが、それに負けないくらい小春ちゃんの声量も大きい。

ふたりが歌っていた『モスラの歌』は、島の神であるモスラに捧げる祈りの歌らしい。歌詞はインドネシア語だ。(後のこめつぶ調べ)

最後の曲では(モスラから最後の曲が始まるまでの記憶はない)、再び小美人の衣装を着たチャラン・ポ・ランタンが登場。

小春ちゃんはVアコーディオンを抱えていた。あの衣装でアコーディオンを抱えているというのも、それはそれで新鮮で面白みがあった。

その時に小春ちゃんがももちゃん「ちょっと背中の方やって」みたいな合図を出していた。前々から聞いていたあの合図を見られたのが嬉しかった。

演奏中、ももちゃんはももちゃんだった。どういうことかというと、タコみたいに手脚をパタパタさせながら踊っていた。

あの時のももちゃんの顔が忘れられない。るんるんの顔とも呼べるし、ほにゃほにゃの顔とも呼べる。口パクで「たんたんらららん」みたいなことを言っていた。もちもちの食パンみたいな顔で可愛かった。

曲が終わり、ハケていく2人。小春ちゃんが手の指をぴったりとくっつけたまま、観客席に向かっえ手を振っているのが非常に可愛かった。

2人の姿を目に焼き付けようと、目を見開きながら手をブンブン振った。あの姿を2人に見られなくて良かったと思う。

👏👏👏

終演後に、実は密かに気になっていることがあった。私が座っていた右隣の席に、ポラーさんらしき方がいたのだ。

どうしてそれが分かったか。その方はブタ音楽祭のTシャツを着ていたからである。たまたまフッと右を見たらブタ音楽祭のTシャツを着ている方がいて、「この人はポラーさんかもしれない」と思った。

初参戦の現場で隣がポラーさんなんて、こんなことは滅多にないはずだ。終わったら絶対に声をかけなければと思った。

以下、記憶の限りのポラーさんとの会話↓↓↓
👧🏻(私):あの、もしかしてポラーさんですか?
👩🏻(相手のポラーさん):はいそうですが…
👧🏻:○○さん(ポラーさんの名前)ですか?
👩🏻:こめつぶちゃん…?
👧🏻:はいそうです!(スマホを見ながら)あ、それはろりステッカー!可愛い!
👩🏻:よかったら1つあげようか?
👧🏻:いいんですか!?ありがとうございます!!あ、ほわほわ缶バッジだ!
👩🏻:そうそう、これもつけてきたの。シャツはブタ音楽祭のだよ。
👧🏻:わあ…(すごーい!って思いながら言葉が出ない)
👩🏻:今日はこれから予定があるから、一緒にはいられないけど…またどこかで会おうね。じゃあ。
👧🏻:ありがとうございましたー!さよならー!

そう言って去っていくお姉さんポラーさんの背中が、ちょっとカッコよく見えた。

『現地でポラーさんとお喋りをする』というのは私の夢の1つだったので、今回その方と短い時間ではあるがお喋りできたのがとても嬉しかった。

会場内には他にもポラーさんがいたらしいが、残念ながら見つけられなかった。そのポラーさんとも、またどこかでお会いできたらいいな。