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留学、したくない。
担任の先生と留学に関する面談をした。私が「行く予定はありません」と言うと、先生は困った顔をしていた。
もともと留学は希望していなかった。入試の面接でも留学はしない予定だということを話した。説明会でも留学は希望制だと伝えられていた。
入学してしばらくすると、留学に関するアンケートが配られた。「留学したい国を書いてください」と言われた。そこには「留学する・しない」の欄がなかった。初めて行った国と留学を希望する国、資格取得状況、パスポートの有無などしか書かれていなかった。
ちょ、待てよ。強制的に留学させられるなんて聞いてないぞ?書かないわけにはいかないので、旅行感覚で行きたい国を3つ挙げた。
1つ目は韓国。時差もないし、色々行きたい場所もあるし、美味しいもの多そうだし。2つ目はアメリカ。ただただニューヨーク・タイムズでミュージカルが見たいという理由である。3つ目はシンガポール。以前見た映画のロケ地に行ってみたいと思った。
「第一希望の国について調べてください」と先生が言うので、とりあえず調べた。調べるのは楽しかった。日本と似ているところ違うところ、美味しい食べ物、人気のお土産などをたくさん知ることができた。
そんな中で行われた今回の面談。私は行きたくない理由として
①絶対に飛行機を間違える自信がある
②方向音痴な上に地図が読めない
③聞き取りが弱い(耳が悪いのではなく、言葉を言葉として聞き取る力が弱い)
④生活能力が低い
⑤とにかく不安
という5点を挙げた。
特に聞き取りは、普段の生活でもよくぶち当たる困難だ。言葉を言葉として認識できないのだ。日本語ですら聞き取れないことがあるのに、他の国に行ってはなおさらだ。
それでも先生は「うーん…」とあまり納得がいかないような顔をしていた。
過去に留学に『行けなかった』先輩の例としては、
・金銭的にどうしても留学のお金が払えない
・母親が病気なので看病をしなければならない
などだった。本人の意思で行きたくないから行かないというのは「ちょっと分からない」のだと言う。
その一言で悟った。どうしてもな理由がないと留学しないといけないんだ。自分の意思で留学をしないという選択肢はないんだ、と。
留学は3週間。留学も授業の一環なので、留学をしない生徒は3週間毎日学校へ来て先生から与えられた課題をこなす。その課題というのは留学後にするプレゼンの資料の制作だ。留学しない人は当然資料がないので、先生からの課題をもとに制作するのだ。
どうしても行かなくちゃダメなのかな。行きたくないのになあ。