続・聖なるかな 聖なるかな
たった1日でクリスマスという壮大な(?)イベントが終わってしまうのもなんだか寂しいので、もう1つ書いてみようと思う。
私がまだ小学生の頃の話だ。イブの夜、私はサンタさんが来るのが楽しみで楽しみでなかなか眠れないでいた。隣にいる妹も、その隣にいる父も、もうぐっすり眠っている。私だけが起きていた。
おやすみ、と言ってベッドに入ってからどれくらい経っただろう。ふと窓際の棚方に目をやると、誰かが窓を開けてカントリーマアムを持っていくのが見えた。(我が家のサンタさん用クッキーはカントリーマアムだった)
その人はクッキーを食べ終わると袋をお皿の上に戻し、代わりにプレゼントを2つ置いた。そして最後に、窓からピースサインを覗かせて去っていった。
一連の流れを見た後に、私は「もしかしてあれはサンタさんなのかも」と思った。我が家の寝室は2階だ。玄関の駐車場にある脚立を使うこともできるが、それだと音がうるさい。音を立てずにああいうふうにできるのはサンタさんしかいない。そう考えた。こっそり布団から抜け出して窓の外を見てみたが、既に誰もいなかった。
🎅🏻🦌🌲🎁
目が覚めると朝だった。いつの間にか眠っていたらしい。窓際の棚の方を見ると、プレゼントと一緒に1つの封筒が置いてあった。
母を呼び出して確認してもらうと、それはサンタさんからのお手紙だった。丁寧な筆記体で”Dear Melodina From Santa Claus”と書かれていたが、英語と筆記体が苦手な母はそこ以外読めなかった。おそらく『来年もいい子にしてろよ』的なことが書かれていたのだろう。
遠い国のフィンランドからわざわざ書いて持ってきてくれたんだ。夜の間みんなにプレゼントを配って忙しいはずなのに書いてくれたんだ。幼い私はそれが嬉しかった。これが私のクリスマスの想い出だ。
あの手紙は失くしてしまったけれど、サンタさんからお手紙をもらった時の気持ちは忘れていない。クリスマスが近づくとその日のことを思い出し、当日になるとなおさら強くあの日を懐かしむのである。
なお、今までの話は我が家のサンタさん用クッキーはカントリーマアムだったということ以外全て嘘の内容である。