若手街弁の生存戦略①-はじめに-

2019年12月17日で、弁護士登録から丸10年が経過しました。

私は最初の3年間を勤務弁護士として過ごした後に独立しましたが、この当時、顧問先はもちろんのこと、個人事件も(いくつかの国選待機枠を除いては)ありませんでした。
また、社会人経験もありませんし、弁護士資格以外にこれといった資格もなければ、語学に堪能なわけでもありません。
つまり、独立した当時、安定的な経営基盤や、売上げに直結するような専門性や人脈といったものは何もありませんでした。

ですが、紆余曲折ありつつも、激戦地(と言われているらしい)東京23区内で、現在まで、いわゆる「街弁」として生き残っています。

そんな10年を過ごす中で,感じたことが2つあります。

1つは、「街弁」の対外的な営業手法についてはまだまだ未開拓であり、特に、若手が独立するにあたってのノウハウが不足しているということ。
独立するにあたって、営業についていざ何かを参考にしようにも、手に入る情報といえば、
・属人的な要素が多すぎる。
(そんな特殊なスキルや人脈は持ち合わせていない。)
・即効性がない。
(成果が上がる前に間違いなく成仏する。)
と思うものばかり。
結局、徒手空拳で進んで行かざるを得ませんでした。

もう1つは、(そんな状況であるにもかかわらず)司法制度改革という、ある種の「革命」が起きたことにより、弁護士の経営を取り巻く環境は年々悪化しているということ。
特に司法制度改革後の世代は、ろくに武器も情報もないままで厳しい環境下を生き残っていくためのシビアな戦略が求められています。

とはいえ、私自身も、弁護士の「営業」や「経営」について偉そうなことを語れるような知見は持ち合わせていません。
が、これまでの経験や工夫を言語化することで、私より下の期の弁護士(登録10年くらいまで)や修習生が、今後「街弁」として最低限生き残っていくための戦略の一例を提示することはできるのではないかと思っています(ゆえに、タイトルは「営業戦略」でも「経営戦略」でもなく「生存戦略」としました。)。
そんなわけで、これから、少しずつですが記事を書いていこうと思います。

なお、これから掲載する記事の読者としては、概ね以下を想定しています。
・登録10年後くらいまでの弁護士(または司法修習生)
・即独または早期独立を検討中
・業態が、ワンオペまたはそれに近い小規模街弁
・年間売上目標が1000万円~2000万円の間

また、更新は不定期になりますので、あらかじめご了承ください。

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