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ICL手術レポ⑦実録・手術直後〜「見える…見えるぞ!…でも…あれ?」

これは長年「強度近視」「軸ズレ乱視」「自覚なし老眼」という三重苦に苦しめられていた男が「ICL(Implantable Contact Lens:後房型有水晶体眼内コンタクトレンズ)手術(※多焦点レンズ)」を決断をした時の苦悩と葛藤の物語。(全8回)

→第7回のテーマは「手術、その後」です。

手術直後の世界

長かった手術がようやく終わった。長かったのは当日までであって、手術時間自体は文字通りあっという間だった。手術後も待合室で目薬をして目を休め、その間に血圧を測り、1時間ほど経ったあたりで先生が目の状態を確認、今後の注意事項を説明されて帰宅…というカジュアルな流れ。当日は本当にあっという間だった。

ただし手術当日・翌日はスマホや読書は禁止なので、待機中は基本的に目を閉じて無になるしかない。楽だが暇。だからと言って寝るのはやめた方がいい。なぜならマジ寝をした場合、無意識に目を触ったり擦ったりする恐れがあるから。もしかしたらこの時点で保護メガネをくれる病院もあるかもしれないが、とりあえずはただガマン。

その後先生のチェックと注意事項の説明があった。

目を圧迫しない(うつ伏せ寝もダメ)
手をこまめに洗う
顔を拭く時ティッシュやタオルは使用禁止
手で顔や目を触っちゃダメ
自分の汗が目に入ってもダメ
今後1週間、入浴も洗髪もダメ
…などなど

ICL手術後の注意事項

…意外だったのが食べ物に制限がなかったこと。一応看護師さんからは「辛いモノはやめておいた方がいい」と言われたが、他に縛りはなかった。個人的には鉄板焼き(油はねる)、ラーメン(スープはねる)、焼肉(煙出る)などはやめておいた方がいいと思う。こういう時に限ってヤツらは的確に目を狙ってくる。

保護メガネをかけ外に出ると世界が輝いていた。遠くの景色がものすごくよく見える。とてもとてもよく見える。しかし保護メガネをかけているせいで、正直なんの感動もない。だって今まで通りなんだもの。

薄暗かったので「ハローグレア」を確認すると、対向車のライト・街灯・信号などが放射状に輝いて見える。…一方コンビニの看板や間接照明といった眩しくないレベルの光源は普通に見える。思ったほど酷くはない。お、これならイケるんじゃないか?


ホテルまでの長い道のり

前述の通り、俺は病院から歩いて10分のところにホテルをとっていたので安心していたが、この見通しが甘すぎた。なにせスマホが全く見えない。ホテルまでの道がわからない。焦りと暑さで額に汗が滲む。嗚呼、なぜ俺は汗どめバンドを持ってこなかったのだ。汗の滴とともに後悔も大きくなる。

青看板や行政の地図を駆使してなんとかホテルにたどり着くも、今度はチェックイン用紙の文字が見えない。なんなら受付の人の顔も見えない。今までのような“曇りガラス的な見えなさ“ではなく、“クッキリとしたピンボケ“だ。おい、大丈夫かコレ?

スマホも使えない。エレベーターのボタンもエアコンのリモコンも見えない。どうにかしたいがどうしようもない。
繰り返すけれど、これからICLを受けようと考えている(多焦点レンズな)人は前日までにスマホの表示を最大にしておいた方がいい。それだけで初日を乗り切れる。できるなら当日だけでも介添人に付き添ってもらった方がいい。

これから1週間常に手を清潔にして、洗顔・入浴・洗髪をしないで体を清潔にし、目薬を丹念にささねばならない。目薬は「1時間毎に3種類」を8回。寝る時は仮面ライダーの目のような透明のガードを目につける。幸いなことに痛みはなかった。

【翌日検診】目に血が溜まっていた

ドキドキの一夜が明けた翌日検診。昨日より視野が安定していたが、まだまだまだまだ手元は見えない。マジで何も読めないし見えない。遠くはすごく見えるのに。喫茶店のメニューが見えないから頼むのは「アイスコーヒーのおっきいやつ」しかない。これが多焦点レンズの辛いところ。

薬を飲み、目薬をさし、保護メガネをかけ病院へ。ふと鏡で目を見たら、おそらく切った場所から真っ赤に出血している…が血涙はなし、痛みもなし、腫れもなし(写真はとったけどまあまあグロいので割愛)。

黒目と白目の境ではなく、黒目の一回り外(赤部分)から血が滲みまくる


そんな俺の血まみれ眼球を病院は華麗にスルー。気球、眼圧、視力をさらっと測り、先生の診察。手術は成功だが、傷が残っているので目薬が増えて4種類にするとのこと。え!?それだけ!?4種類をそれぞれ2滴、3分、1時間毎。

「日に日に」という言葉があるけど、誇張なく「時間に時間に」視力が安定してくるのがわかる。昨日よりは軽快にホテルに戻れた。でもまだまだ見えない。

普通に目を使っていいと言われたけれど、なんだか怖いので暗い部屋で目を閉じ、YouTubeをラジオ代わりにして目と体を休めた。ありがとうCOA。

【3日後検診】血は止まり、いつもの

基本的には翌日検診と同じ。サラッと“いつもの検査“を行い、先生のチェックと説明。傷からの出血もなくなり、あとは丁寧に目薬をさせばいいとのこと。

【1週間後検診】お風呂解禁!!!

1週間も経つとだいぶ目が見えてくる。この辺りになると目の見え方より1週間洗っていない髪の毛や体の方が気になってくる。洗髪用シートや除菌シートなどでこまめに拭いてはいるけど、周りの人に不審者扱いされてないかしら。

検診自体はいつもと同じだったが、ついに「保護メガネを外してOK」「お風呂もOK」「睡眠用の仮面ライダーも外してOK」とのお言葉をもらう。

そして今まで「最大」にしてかろうじて見えていたスマホのテキスト表示を「中」にした。なんとか見える!乱視がない!クッキリ見える!ついに俺は普通の目がいい人になれたんだ!でもまだまだ手元はよく見えない。特に老眼ゾーンが。

とりあえず1週間ぶりのお風呂は気絶しそうなくらい気持ち良かった。

【1ヶ月後検診】温泉・サウナ解禁!

1ヶ月後検診。検査はいつもと同じ。違っていたのは、ついに「温泉やサウナに入っても大丈夫」というお墨付きをもらったこと。加えて「プールの水中で目を開けてもOK」と言われたこと。もはや無敵か?

視力はだいぶ安定した(下記参照)

手術前    手術1ヶ月経過後
0.04(両目)→ 1.5(近視域1.0/老眼域0.7)

ICL手術1ヶ月経過後の視力


次回、最終回【ICL手術レポ⑧「実録・ICL」〜結局ICLってやって良かったの?】

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