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建築展「How is life?」見学記録

TOTOギャラリー・間で開催されている「How is Life?ー地球と生きるためのデザイン」展に行ってきました。

地球に付加をかけないための考えの一つにSDGsがあり、2015年ごろからよく聞きますが、本展のキュレーター達の考えによると、今はもうSDGs(持続的成長)どころか成長なき繁栄(公式パンフレットより)を検討しなくてはならないところにきている、ということなのだそうです。具体的には、成長の原動力となっている産業や便利なくらしに疑問を投げかけ、見直していかなければならないということでした。スクラップアンドビルドや、建設は建設業者が請け負うというあり方など、当たり前と思っている産業の様子に疑問を抱けるプロジェクト、また、自宅は家族やごく親しい人だけのもの、といった暮らしの前提を疑えるプロジェクトなど、刺激的なプロジェクトが展示されています。キュレーターによって選ばれた「地球と生きるための」プロジェクトを通じて、鑑賞者の私も、どういうふうに産業や暮らしが変わっていくのかを少し想像することができました。

では、展示内容を紹介します。1947年の藤村記念堂の普請から、本展示会にあたり用意されたプロジェクトまで、多様な年代のプロジェクトが紹介されていました。その数18で、内容は以下の通りです(順不同)。

1.地球にどう定住するのか
2.A tree; a corporation; a person
3.藤村記念堂
4.Wheatfield - A confrontation
5.東京湾計画(菊竹清訓)
6.神水公衆浴場
7.SPARCの公衆トイレ
8.Bikeable
9.自転車の都市(Bicycle Urbanism)
10.Floating Farm
11.15 - Minute City
12.茅葺普請
13.石積み学校
14.Land and Labor
15.ReBuilding Center JAPAN
16.都市林業
17.La Ferme du Rail
18.Capotal Agricole

展示方法で面白いと思ったのは、本展示会についての小冊子を自分で編集し、完成させられるということです。各プロジェクトの展示場所には、プロジェクトの解説の書かれたペーパーが置いてあり、気に入ったプロジェクトのペーパーを集めることが可能です。そして集めたペーパーには表紙をつけて、ハトメでとめて、冊子にできます。自分だけのオリジナルの冊子をお持ち帰りできます。自分の選んだペーパーを通読すれば、自分の思い描く「地球と生きるための」方法が明らかになるのは、興味深くはないでしょうか。

私の場合は

  • 地域の文豪を偲んで村人が資金と材料、手間を出し合って記念館を建てるプロジェクト

  • サイクリスト達の意見を市が吸い上げて障害物を取り除くプロジェクト

  • 民家の解体で出る資源をレスキューして再度使うプロジェクト

  • 石を積み農地・宅地・道をつくる技術を、各地で教えるプロジェクト

上記の四つのペーパーを選びました。私は建物を建てるとき、解体するときにその一員として労力を貸したいと思っているようです。石積みのような設備をつくることにも協力したいと思っています。また、自転車によく乗るので、自転車の環境整備に意見を出していきたい気持ちもあるのでしょうか。

ぜひご自身の思う「地球と生きるための」方法を探しに本展を訪ねてみてください!

展覧会HP
https://jp.toto.com/gallerma/ex221021/

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