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不動産投資で糧を得ながら起業した人の話その.3

42歳で20年間勤めていた会社を退職して、不動産投資をしながら自ら起業の準備を進めている武田氏から連絡が入ったのは、2017年12月下旬のこと。

それまで支払われていた家賃が急遽減額されて、生活に支障が出ているということだった。
それで、会って話がしたいということなので、年が明けた2018年1月の初めに新宿のカフェで対面でのミーティングの場を設けた。

約束の時間に着くと、既に武田氏は着いていた。

“急にお呼びしてすみません。”と武田氏から言われて、“いえ、問題無いですよ。”と答え、早速本題に入る。

サブリースを頼りに築いた生活基盤

武田氏が投資していたシェアハウスの家賃が2017年10月分から急遽、減額されてしまって、銀行ローンの支払い分も足りなくなったという。
当然、生活費もままならない状態だという。

既に仕事も辞めてしまっているため、収入はシェアハウスを一括借上げしているサブリース会社からの支払いだけだという。
その支払いが減額されて、毎月返済している銀行ローンの支払い分も不足する事態に陥ったそうだ。

この時、初めて“サブリース”という単語を聞いて意味が分からなかったのでたずねると、武田氏がオーナーになっているシェアハウスは、販売会社から土地を購入して、建築会社と請負契約を結んでシェアハウスを建築。それをサブリース会社が一括で借り上げてくれて、オーナーである武田氏には約束した賃料を定額で支払うという仕組みだそうだ。

その支払いを約束された賃料から、銀行ローンの支払い分を差し引いた残りが50数万円あって、これを生活費と事業活動費に充てていたという。

30年間定額保証だった家賃が突如ストップ

武田氏の話によると、家賃は30年間定額で支払われるということで、42歳で退職して72歳までは毎月50数万円の不労所得があり、その後も家賃の減額の可能性はあるかも知れないが、その分は年金でカバー出来るので、死ぬまで生活費には困らないという読みだったそうだ。

そこに、起業して事業収入が加われば、大きな財産を築くことも夢ではないと考えていたそうだ。

子供が二人居る武田氏は、ちょうど下の子供が小学校に入ってお金がかかる時期だったが、50数万円の収入があることから、いい塾に入れて教育にも力を入れていたとのこと。

奥様は専業主婦で収入はないらしい。

50数万円の収入は約1年間継続して支払われてきたらしく、毎月少しずつ貯めてきた貯金は事業活動の資金に充てたそうで、ほとんど残っていないということだ。

そんな、武田氏から相談を受けたのが、今すぐに事業活動からの収入が必要になったので、急いで事業活動を始めて稼ぎたいということだった。

その時は、ウェブコンテンツの内容どころかビジネスモデル自体も定まっていないので、それは厳しいと思ったが、切羽詰まった状態だということで、一旦、伺ったお話を持ち帰って、次回お会いするまでにお互い幾つかアイデアを持ち寄ることになった。

そして、2週間後の2018年2月初旬に対面でのお打合せの予定を決めてその場は別れた。

起業して直ぐに家族4人が生活出来るような売上を立てられるビジネスモデル、それも先行投資は無いも同然の状態。

武田氏に特筆すべきスキルがあれば別だけど、これまでのお話ではITリテラシーも中年のオヤジレベルで高くはない。
まして、ビジネスモデルも定まっていない状態ではほぼ不可能に思われた。

どれだけ、考えてもこれといったアイデアが浮かばない。

そうこうしているうちに約束の2週間が過ぎた。

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