「公安狼」笹本稜平 徳間書店

好きな作家の一人
・越境シリーズ
・素行調査官シリーズ
・所轄魂シリーズ
・指揮権発動/サンズイ
などなど、結構読んでいる。善悪という中での、悪と戦う。中でも、警察組織など、本来、善であるべき、組織に生まれる悪との戦いが多く、読んだ後の爽快感を得られる作品が多い。今回の作品は、公安に所属する警察官が、革命組織と投資家と公安に属しながら、悪との関係を持つ人間が入り組んだ犯罪集団と戦うストーリー。今後、シリーズとして発展しそうな気もする。読んだ感想としては、なぜ、この作品に取り組もうと思ったかが、ちょっと分かりにくいなと。公安が取り扱う組織にも変化が訪れているのではないか。明確に、組織化されているものから、より、個に近い集団で、つかみにくくなっているのではと、ざっくりと思ったりする。それは、世の中全体が、デジタルや働き方などなどということで、特段、公安案件がということではない。そういう流れだろうなというなかで、あえて、学生運動に取り組んでいた組織が、いまの時代にという設定で、ただ、革命主体ではなく、投資家が自らの損失を補填するために、ということで、海外のテロ組織なども動かし、公安の人間も取り込みつつ、用済みとなったら、殺されたりもする。すごく、公安小説の王道というか、こうなるよねという想像通りに、進んでいった作品。2時間ドラマにできそうな感じ。ドキドキ感ない。


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