十三階の神(双葉文庫) 吉川英梨

 2018年7月に単行本で発売されたものが、文庫になり、そのタイミングで購入。十三階シリーズを読んでいなかったのでこれが初めて。感想は、もっと早く読んでおきたかった。の一言。面白い。実際に起きた悲劇的な事件をモチーフにしている。実際には何もなかったと思っている我々。もちろん、ないが、もしかするとあるのでは、とも思わせるなんとも言えない世界観。描写のグロさは、文字を追うだけで、その世界が頭に浮かび、思わず、文字から目を離してしまうくらいだ。主人公が背負う苦しみは小説の世界とはいえ、そこまでかと想像を超えてくる。後半にかけてのスピード感と驚きの上書き。これ以上ないであろう物語にも、続編を期待してしまう。


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