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死に場所を探す旅

人っていったいどこで死ねるんだろうかとふと思い、死に場所を探しに旅に出た。
本当に死ぬ気は多分なかったと思うけど。


自分の機嫌を取るのがびっくりするほど大変である。
こいつめんどくせぇな。といつも思っている。

実家じゃ安らげないと駄々をこねられ実家を出た。
会社に行きたくないこんなつまんない仕事したくない自由になりたいと地団駄を踏むので、フリーランスのイラストレーターになった。
家でじっとしてるのもつまんない飽きた東京人多い嫌いだと、丈夫な縄を探し始めるので旅に出た。

こうでもしないとこいつはすぐ人生を終わらせようとする。本当にめんどくさい。


この前友達と話してて驚いたのだが、普通の人間は「基本的信頼感」というものを持っているらしい。
自分がこの世界に存在することを肯定的にとらえ、自分には生きる価値がある、世界は信頼するに値するという根拠のない感覚である。

失礼ながら、「なんでみんな生きてるんだろ?しかも子供作るとかやばいな。」って思ってた。
この感覚を持っているのだとしたら合点がいく。

おそらく自分は持ち合わせていない。

誤解がないように言っておくが、私は自分を不幸だと思ったことがない。
自分の評価が低いわけではないし、環境に恵まれなかったわけでもない。
ただ基本的信頼感だけを持たないで生まれてきてしまったようだ。

これがない人間はどうしても生きる理由が必要な気がする。
ちょっと躓いただけで死にたくなるし、何も起こらなくても人生を終わらせたくなる。

iPadを片手に、イラストを描きながら全国を旅している。

旅をしていて気づいてしまった。

世界はめちゃくちゃきれいだ。
自然は私を拒まないし、いろいろな生き方の人と出会って、また行きたいところも会いたい人もたくさんできてしまった。
これから行ってみたいところも山ほどできた。


死に場所を探した結果、生きる場所を見つけた。

鹿児島、桜島の見える海辺

本当は海になりたかったし空になりたかったけど、うっかり海や空を描く人になった。
正直楽しかった。依頼がもらえるのがすごく嬉しかった。
今は生きる理由をたくさんもらった。

「死ぬまでにできるだけ面白く暮らす」をモットーに、面白そうな土地や人に会いに行っている。


今は瀬戸内海の島暮らしをしていて、面白い宿に泊まっているので次に紹介したい。


旅するイラストレーター 熊谷のの

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