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人生邂逅 ◆ こころに残るヒトー5)  「中学野球部キャプテン」

私が中学校で野球部に入部したのは、1年生の3学期でした。
部活に入ると勉強に差しさわりがある。と母から強く反対され、否応なくしたがって、いわゆる帰宅部でした。野球の練習を横目で見ながら、自転車に乗って家路についていました。                    ところが、体力不足からか週一の朝礼で立ち眩みで倒れるようなことが頻発にあったことと担任の先生に理解があり、親を説得に回ってくれたことで、念願が叶いました。
入部した野球部は、1年上の先輩がなぜか全員退部して一人もいなかったことで、3年生が秋に抜けた後は、1年生だけになっていました。     そのときにキャプテンになったのが彼でした。
彼の印象は、ONとOFFの使い分けがじつに見事で、部活中は凛としてその責務を果たす。きついことを強いたり厳しい決断を下すこともありますが、 率先して、黙々と厳しい練習に取り組む姿勢に、だれも反抗することはなかったように思います。
また、一方 練習が終わってから見せる顔はまったく違っており、ひょうきんでお茶目でちょっとエッチ系(?)でした。この年にしては、そちら方面への興味が人一倍強かったようです。                 お陰様で練習帰りに買い食いで立ち寄るお店では、貴重な情報を彼から仕入れることができました。いまさらながら感謝です!
彼の人間性とリーダーシップのおかげで、個性的でやんちゃなメンバーからなるチームの結束力は日に日に強まっていきました。
一致団結ということで思い出すのは、3年の時サッカー部にサッカーの試合を申し出るという無謀な挑戦をしたことです。
だれも、野球部が勝つなどとは思ってもいなかったのですが、なんとこれが快勝してしまったのです。技術や経験、戦術面はもちろん劣っているのですが、気合だけは負けていませんでした。怖いものなし、とにかくボールを必死に追いかけ、ゴールに向かって全員で突進する。ただ、それだけ。   サーッカー部の連中はみな、茫然自失。 じつに痛快でした。
肝心な野球部の成績は、3年生の春季大会で地区大会を勝ち抜き、念願の県大会に出場することができました。残念ながら、1回戦で敗退はしましたが今の桃太郎スタジアムでプレイできたことは何よりの想い出です。        高校なら甲子園出場のようなものです。
余談になりますが、私たちの2年後輩は、なんと2年連続で県大会優勝という偉業をなしとげます。後輩に剛腕、強打のピッチャーがいたことと、私たちが3年生の時に近隣の中学校4校が統合したことで、全体的な戦力強化になったことが要因ですが、私たちがその礎を築いたと言えなくもなさそうです。
とにかく、彼にはリーダーシップの妙味を教わったように思います。
もちろん、彼ならではのなせる業ですが、大いに参考にはなりました。

おそらく、応援団の時にそのかけらを発揮できたのではないでしょうか。

 それにしても、上級生のいない野球部生活は楽しかったな~!


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