SCPっぽくNIKKEを書いてみた アルトアイゼンMk.Ⅵ 「最初にして最後のボス」

アイテム番号:RPC-001
オブジェクトクラス:Tyrant
特別収容プロトコル:RPC-001は現在収容方法の検討がなされていません。RPC-001に関するあらゆる収容方法の検討が奏功しないと結論付けられたため、RPC-001の対応に関しては破壊のみが決定事項として採択されました。ただしこれは他のTyrantクラスのオブジェクトよりもRPC-001の破壊が優先されることを意味しません。
特別対応プロトコル:【編集時注記】昨今確認されるTyrantクラスの攻撃性と人的及び経済的コストを鑑み、■■■■年■■月■■日■■時■■分(GMT)に開かれた統合作戦本部会議においてTyrantクラスに関しては一切の収容及び鹵獲計画が凍結されることが決定しました。
この決定以降の全ての報告書には特別収容プロトコルに代わり特別対応プロトコルが記載されます。また、この決定以前に作成された報告書には特別対応プロトコルについての注記が加筆編集されます。【以上注記】
 RPC-001の攻撃作戦に従事する全ての部隊は近接・中距離・長距離全ての火器で構成された編成を行ってください。RPC-001は他のTyrant級ラプチャーと比較して速射力・侵徹力・爆発力といった運動エネルギーが非常に高い加害力を持つという特徴があり、これに匹敵ないし凌駕する火力を以て攻撃作戦を立案して下さい。一撃必殺・一発逆転といった科学的根拠のない作戦や旧時代の大戦中のような精神論による作戦は人的及び物的資源の浪費にすぎません。
追記:ENIKKによる提案により作戦中はRPC-001をアルトアイゼンと呼称することが決定されました。

説明:RPC-001は多数の車輪を備えた輸送用機器いわゆる「列車」に近似したラプチャーです。全長・全高・全幅・重量などは一切不明であり、視覚による予測では全長概ね100mから150m、全高概ね10mから20m、全幅概ね5mから10mです。[削除済み]偵察中隊撮影分析NIKKE小隊による大きさと構造材質の分析は失敗に終わりました。同小隊が記録した映像から侵攻中は80km/hから120km/hの速度で走行するものと推測されます。
 構造的には大きく2つのブロックで構成されており、それぞれのブロックの下部には多数の車輪が位置しRPC-001の走行を担っています。RPC-001の形状は列車に近似していますが、レールの上でなく不整地の地表でも直接走行が可能です。RPC-001の出現が報告されている地域の地表は全て不整地です。
 前部には垂直発射式の誘導ミサイルの発射が可能なミサイルポッド8基、連射式砲塔2基、多弾頭ミサイルランチャー1基が装備されており、後部には同様の連射式砲塔2基、多弾頭ミサイルランチャー1基が装備されています。本体連結部の上部には大出力のビーム砲2門が備えられています。
 RPC-001が被弾などによって後部が破損もしくは機能停止とみられる状態になるとRPC-001は本体連結器を切り離し前部のみによる走行を行います。(この前部をRPC-001-Aと呼称。)RPC-001-Aに攻撃を加え続けるとRPC-001-A左側面に複数のスパイクが表出し攻撃を加えられた側に向かって刺突するような運動を見せます。現在までRPC-001に対する全ての作戦でRPC-001への攻撃は全て左側面から行われており、仮にRPC-001の右側面から攻撃を行った場合には左右どちらの側面からスパイクによる刺突が行われるか検討されたことはありません。
 ドローンによる調査の結果、RPC-001には操縦している人間もしくはNIKKEの存在は認められませんでした。

補遺:MMR研究機関の[削除済み]によりRPC-001が製造された経緯が明らかになりました。詳細は研究報告書RPCR-0010からの抜粋を参照して下さい。
研究報告書RPCR-0010抜粋:RPC-001は要注意団体エンターヘブンが製造しアーク内通称[削除済み]に放置していた列車型戦車にラプチャーが寄生し自我を持ってアークを攻撃しているものと思われます。
 エンターヘブンがどのような経緯で列車型戦車を製造、放棄したかは明らかになっていません。RPC-001への有効な攻撃法を獲得するために引き続き調査が必要であると軍首脳部に提案すべきです。
付記:RPC-001は現在までに6体確認されており、それらのうち5体の破壊が確認されています。破壊が確認されたRPC-001を破壊された順にアルトアイゼンMk1~アルトアイゼンMk5、現在破壊が確認されていないRPC-001をアルトアイゼンMk6と呼称します。

事案:以下は、作戦報告書■■■■/■■/■■付(作成:第824独立NIKKE中隊首席指揮官KMA大尉)の記録映像の一部を書き起こしたものです。
[記録開始]
(走行中の鉄道車両の無蓋貨物車に乗車し進行方向の右側を撮影した映像。地上でかつて使用された鉄道用レール上を走行しているものと思われる。時折線路わきに設置されている踏切用警報器・標識・立木が左から右へ高速で流れる。)
NIKKE登録番号ELY-owl.22499Aeh(以下NIKKE-1)「前方500m敵戦車発見、ラプチャー反応。敵機は1機。データベース照合。アルトアイゼンです!」
指揮官KMA「小隊全機射撃体勢へ。センサーは監視モードを維持」
NIKKE-1「敵機並走しながらこちらへ接近してきます。18秒後に有効射程距離に入ります。…うそ…えっ?失礼。アルトアイゼンが形態を変えました!」
指揮官KMA「報告書通りだな。かっこいい!とでも言ってやれ…冗談だ。全機、目標諸元入力。アルファ1とアルファ2は最後部速射砲、ブラボー1とブラボー2はミサイルランチャー。照準合わせ。射撃モードへ移行。」
(10秒間沈黙。レールの上を走る走行音に交じってRPC-001のものと思われる連続した機械の駆動音が聞こえる)
NIKKE-1「有効射程距離超えました!」
指揮官KMA「エンカウンター。全機ファイア!」
NIKKE-1「アルトアイゼンが速度を落としました」
指揮官KMA「…んだと!運転士!速度を落とせ!奴の頭の横につけろ!」
NIKKE-1「アルトアイゼンから飛翔体!4,5,6…8!ミサイルです。8発こちらへ飛翔中。迎撃しない場合」
指揮官KMA(遮って)「ミサイル!アルファ1とアルファ2で迎撃!」
(数回にわたる爆発音)
NIKKE-1「迎撃に成功しました。アルトアイゼン速度上昇!」
指揮官KMA「ミサイルと速射砲が来るぞ!全機ハイドしろ!」
(速射砲弾によると思われる連続した破壊音)
NIKKE登録番号MIS-Pro08.31A2241(以下NIKKE-2)「遮蔽物が!ぐっ!!」
指揮官KMA「ブラボー2!やられたか?」
NIKKE-2「左すねを速射砲弾がかすりましたっ!損傷率12%!」
NIKKE-1「ぎゃっ!」
指揮官KMA「アルファ0!」
NIKKE-1「いいえ、被弾はしてません。つま先で跳弾しました」
指揮官KMA「まずいな…向こうに比べてこっちの火器が貧弱すぎる。1発撃っても100発撃ってきやがる。次のポイントから第2小隊を連結する。体勢を立て直して再チャレンジだな。運転士、速度落とせ!後ろの奴らを待つぞ!」
[記録終了]
この作戦でKMA大尉の中隊指揮の全32小隊によって総攻撃が加えられましたが、RPC-001の破壊には至らずアルトアイゼンはアーク民間人居住地域まで15㎞の地点まで侵攻し、突如転進。KMA大尉は追撃はせず、RPC-001の脅威が去った後で撤退しました。


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