VCが語る人生のアドバイス「赤い薬を選べ」




Klover PartnersのHyoungjin Kimマネージングパートナー(hjkim@kloverpartners.com)は、創業者の言葉に耳を傾ける態度が感じられるVCです。創業とVC、LPに至るまでスタートアップ業界の全ての領域を経験したベテランですが、一般の認識とは異なり、VCが「受け手」であり創業者が「与え手」だという考えを基に、善意が経済成長につながるきっかけだと信じています。

【人生】赤い薬を選べ
成功した人物といえば、アフリカで宣教活動をしたイ・テソク神父が思い浮かびます。医療と教育の奉仕をしながら恩恵を受けていない人々に分け与えるシュヴァイツァー博士のような人が私のロールモデルです。そういう人になれたら本当に幸せだろうし、成功したと自分で胸を張って言えるでしょう。
学校でコンピュータ科学を専攻しましたが、若い頃はコンピュータ科学の専攻が気に入っていませんでした。個人的に、他人を助ける職業の最高峰は直接他人の命を救う医者だと思っていました。でも、医学部に入るほどの成績ではなく、結局はコンピュータ科学を専攻することになり、自分を責めたり、不満も多かったです。
しかし、時が経てば、医者は人を1:1で助けることができますが、エンジニアが開発したプログラムや製品は1:Nで人類の生活を同時に改善することができるとわかりました。その当時はネットワーク効果と機械学習の力について知りませんでしたが、後に様々な活動と勉強を通じて学びました。実際に最初の起業資金の基盤となったのは、Daumに入社して開発した特許で、ベイジアンネットワークに基づく有害画像をフィルタリングする技術でした。単なるプログラムだったけど、この技術を通じて一日中露骨な画像を手作業でフィルタリングしていた多くの従業員の苦痛を軽減することができました。
亡くなる時に温かい影響を与えた人として記憶されたいですが、今考えると、望まない道を行くことになり、より多くの人々を助けることができるネットワーク効果と自動化の力を学ぶ機会が与えられたように思います。だから本当に感謝しています。どんなに今は大変でも嫌なことも、未来にどんな助けや栄光になるか誰にもわからないからです。だから苦難に感謝

するという言葉があるように、苦労しても常に新しくてもっと大きな成果が待っていることを追求するべきだと信じています。
映画「マトリックス」を見ると、最初に主人公が赤い薬と青い薬のどちらかを選ぶシーンがあります。仮想世界から目覚めて苦痛に満ちた現実に直面する赤い薬と、また記憶を失い幸せな幻想の中で生きる青い薬の中から選ぶことになりますが、常に自分自身と親しい人に赤い薬を選ぶように言いたいです。

【思考】複雑で難しい時に使う思考法
複雑で難しいということは何かが間違っているというシグナルだと思います。ある問題が継続的に自分を苦しめるなら、その問題に深く埋没していることが逆に害になることが多いです。だから、答えが見えないし、窮屈だと感じるなら、その考えに囚われないようにする努力をたくさんします。
例えば、早く忘れるために全く違うことを考えたり、遅くまで映画を見てぐっすり眠ります。そうすると次の日の朝には、前日には見えなかった答えが見えることもありますし、新しい考えが次々と浮かぶことがあります。このように、複雑で難しい状況では、元の悩みの方向から早く忘れるための努力に重点を置いています。

· 自分だけのビルボードに書く一言:赤い薬を選べ。
· 他人が同意しない自分だけの秘密:0.1%の可能性があればそれでいい。
· 自分だけの原則:脆弱な層を優先的に考える。
· 自分だけの習慣:悪口を言わない。
· 成功する起業家の共通点:時間をうまく作り出し活用する。

【起業】起業家が犯す最も一般的な間違い
直接起業してまた周囲の代表たちを見守りながら感じた起業家が犯す最も一般的な間違いは、選択と集中をしないことだと思います。ある原則を決めたなら、その原則を継続的に守りながら進むべきですが、起業家は元々成功したいという強い欲求があるために、結果を求めて執着することが多いと感じます。
個人的な経験から言うと、起業するときに製品開発の能力が十分に準備されていない状態で契約を取ることに集中することがあります。自分も起業に挑戦するときに、製品が全く準備されていない状態で数多くのPOCと開発契約を取りました。結局作った製品の質は落ち、技術開発のためのスケ

ジュールはどんどん遅れてしまいました。今思うと、良くするという気持ちが先走り、あらかじめ決めた製品に対する原則や開発スケジュールを無視して前に進んだのだと思います。スタートアップの代表には、起業していると焦りや不安を感じることもあるけれど、初めに定めた基本原則を忘れないようにと伝えたいです。
成功する起業家の特徴は、日常の中で時間をうまく作り出し、効率的に使用することです。周囲でそのような人の典型的な例がSendbirdのキム・ドンシン代表です。忙しいはずですが、最近はYouTubeまで運営しています。どうやってそれが可能なのか尋ねたところ、20/80の法則を積極的に活用して時間を本当に重要なことに使い、18時以降はできるだけ退社して個人の時間として活用するそうです。キム代表のように、24時間が足りないような状況でも時間をうまく作ることができるようです。

【投資哲学】礼儀と思いやりがにじみ出る態度
成功するスタートアップの必須条件である市場を判断するインサイトと実行力はすべて人にかかっていると思います。そのため、人に対する正確な判断を下すことが何より重要ですが、とても難しいと感じています。
その中でも、人には可能性があると信じています。単に現在1位の企業ではなく、1位になる可能性がある2位、3位にも投資したいと思っています。必要とされる場所に援助を提供するのが投資哲学ですから。財務的な観点からも、過小評価された企業に投資して、その中で高く評価されるようになる企業が最終的に最も高い収益率を出すと思っています。
可能性を軽々しく判断することは非常に難しいので、創業者の小さな態度や些細な行動に注意深く目を向けています。例えば、ある代表はカフェの従業員に無礼な態度を取ることがあります。もちろん個人の能率とは直接関係ないかもしれませんが、スタートアップは長い時間をかけて行うべき仕事ですし、一人では成功できません。だから、最終的に他の人が創業者を助けたいと思わせる能力が最も重要だと思います。他人を尊重する態度が身についている人は、常に多くの人の援助を受けながら最後まで成功することができます。klover partnersでは積極的なCレベルのサポートを提供しているため、より長い期間一緒に仕事ができる態度を持った代表を探しています。

【推薦図書】ナラティブ&ナンバーズ / シリコンバレーのチームリーダーたち
まず、ナラティブ&ナンバーズという本は非常に実用的な

観点から推薦したいです。スタートアップの代表は企業価値の評価や投資の際、望んでいる企業価値を正当化するのに苦労することが多いですが、この本はどのようにストーリーと数字を組み合わせてさまざまな会社に価値を付けるかを教えてくれます。
もう一冊は、シリコンバレーのチームリーダーたちという本です。事業で最も重要なのは人事だと思います。この本は、原題がRadical Candor(急進的な誠実さ)というだけあって、どのようにして会社内で非常に誠実な文化を保ちながらも、互いに尊重することができるかを教えてくれます。組織管理において非常に役立つ本です。