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沼落ちが運んでくれる幸せ感

日々生活をする中で、目にした光景を記憶するか、しないかの判断は脳が勝手にやっているのだと思うが、そのすべてが消えてしまうのかというと、そうではなく、恐らく脳のどこか、ストックルームみたいなところに保管されているではないか。そして、それを何かのきっかけで不意に思い出すことがあるようだ。


先日、後ろの席のジャニオタの子と、以前の仕事の話をしていた。職種は違うけれど、偶然にも彼女の職場が私と同じ空港だったのだ。

なので、芸能人を見かけることもあるよねと話していた途中で、授業が始まり前を向いた。すると、突然私の脳裏にある光景が浮かんできた。

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その日、私は国際線制限エリア内の勤務日。混雑の始まる少し前だったので、ぼんやりと出国審査ゲートをみていた。

すると、明らかに芸能人っぽい格好をした人たちと、そのマネージャーらしき人たちが目に入った。どうやらK-popグループのようだ。

少し離れてメガホンみたいな大きなカメラを抱えた、派手めの、キレイなお姉さんたちがいるから、それなりに有名なのだろう。

でも、K-popに興味のない私には、グループ名などわからない。服装はそれぞれに個性的だけど、みんな同じ顔に見える。

おしゃれなロングコートを着こなしてる人もいれば、丈の長いダウンでラフな人もいる。薄手のセーターにパンツだけの人もいる。季節感ないね。なるほど、荷物は少ないのね。セカンドバックひとつでいいのかぁ。やっぱりみんなスタイルいいよね、さすが芸能人。

あ、ひとり遅れて出国審査通ってる。あの人待ちだったのか。そこらへんの男の子みたいに普通の恰好だけど、やっぱり芸能人オーラあるよね。あー、検査済の手荷物を受け取るの忘れてるし、一般人より頭下げてるよ。

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この蘇った記憶から、ある仮定が思い浮かび、私の鼓動が早くなった。

「もしかしたら、あれはBTSだったのではないか?!」

数年前、この地方空港にBTSが一度だけ来たことがある。それは間違いなく冬で、年月日まで確定できる。

そして、私の記憶は数年前の冬。詳しい日時は覚えていない。でも、冬なのは合致する。

念のため、スマホに残してあったはずのシフト表を探してみた。しかし、残念ながら、機種変更をしたときに消えてしまったようだった。

だが、だが、私にとって、この突然思い出した記憶は、更なる深い沼に落ちるには十分すぎる事実だ。だから、私は確信を持ってこう信じることにした。

私はBTSに会ったことがある!!!


そう思うだけで、なんと幸せなのだろう。ライブに行ったとかではなく、会ったことがあるのだ。(正確には「見かけた」だが、同義語とする)

こんな昔の記憶でさえ、こじつければ幸せ感を運んでくれる。沼落ちってホントに最高だ。


最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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