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 「僕らはいつも海を渡った」

<< MemoriA アルバム "僕らはいつも海を渡った" >>

ポピュラー音楽は不完全なものです。歌詞が全てでもないし、メロディーが全てでもないし、歌唱やアレンジが全てでもない。

不完全であるからこそ、完成することはない。
でも私たちは良い音楽を作りたいと考える。


MemoriA という名義で1つの音楽アルバムが作られました。
私は主に作詞と、録音関係の全般を担当。

全部で8曲ありますが、そのうち数曲がダウンロード再生できるようになる予定です。
その都度、歌詞と少しばかりの製作経緯を記載したいと思います。


僕らはいつも海を渡った

風のあたるベンチで目を閉じて
僕らはきっと 海を旅する
本当に波を渡るのと
心の中で時を越えること
どちらが幸せだと思う?

答えの中に生きているのに
いくつも夏が終わっていた

交差点をいつ踏み越えて
もう帰らないと気づけなかった
夕暮れの声を波にして
僕らはいつも海を渡った

図書館の匂いに包まれて
互いに違う本を開いた
帰り道交わす憧れに
妬いている僕をわざと笑うように
ふわりと髪が揺れてた

あなたは言葉や文字を愛して
僕はいつでも声を求めた

あの頃とは違う雨の中
もうどこにも居ないみたいだ
真夜中ラジオも消えかけて

黄色い光が空を駆けて
あの日の駅に滑り込んで行く
夕暮れの声を波にして
僕らはいつも海を渡った


<<曲が完成するまで>>

アルバムのタイトル曲であるこの曲は、歌詞にするつもりなくアルバムのイメージとして書いた詩であったけれど、作曲者はその不完全な詩にメロディーをつけた。

それからメロディーに寄り添う形で言葉遣いを変え、またメロディーが変化し、そのような作業を何度も往復して形が整って行った。

このような経過で作られた曲は、アルバムのコンセプトを正確に表している楽曲であるので、アルバムの最後の曲として収録するつもりだった。

<<アルバム制作中の経緯>>

アレンジを担当したのは Kotori氏。彼の作成したアレンジ済みのラフミックスを聴いて、アルバム最後の曲という構想は覆る。

これはアルバムの一番頭に持ってくるべきアレンジであると、作詞家と作曲家の意見が一致した。

そのため、アルバムに収録するかどうかの水平線上で未完成のままであった 「この夜が明ける前に」 を大幅に改変して最後の曲として収録することにした。

「僕らはいつも海を渡った」 のアレンジはアルバムバージョンと、シングル用の 「完全版」 がある。

アルバムバージョンは次の 「春の水平線」 に続く形、完全版はアレンジャーの意思に忠実なもの。

音楽配信サービスで提供される楽曲は 「完全版」 となる。


<<クレジット>>

作詞、今泉 貴輝
作曲、唯乃

歌唱、唯乃
アレンジ、オーケストラミックス、Kotori
録音、ミックス、今泉 貴輝


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