NEIL YOUNG+PROMISE OF THE REAL EARTH disc review by うし

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KKV Neighborhood #14 Disc Review - 2020.06.04
NEIL YOUNG+PROMISE OF THE REAL
EARTH (REPRISE RECORDS 2016)


50年後のHeart Of Goldとその未来

地球に暮らす実感とゆうものがあるとすれば、僕の暮らしはどうやらそれとは程遠いところまでやってきてしまったのかもしれない。長い間、僕らはここに暮らしながら無関心にこの地球を傷つけてきた。

地球を感じる瞬間とはなんだろうか、朝まで遊び語り明かし薄暗い屋内から這い出た時に見る朝焼けか、タバコを吸いに出たベランダで3階建以上の無機質な物体に遮られながら覗く今にも消え入りそうな星や月の明かり、激しい雨の中にみる煌々と輝き唸るように轟く雷か。はたまた、コンクリートの隙間から力強く這い出る草花、土に触れた時に感じるあの暖かさや冷たさその懐かしくもあるぬくもり、幼い頃海の寄せては返す波に意味もなく体当たりを続けそれに飲まれて海水に包まれ聴いた上も下も右も左もないあの轟音か。

そこ此処に暮らす人それぞれに、千差万別その瞬間の景色や感覚は持ち合わせているはずで、本当はずっと1番近くにあった美しいものをよく見つめてみれば、失いかけたその守るべき美しい何かを見出すことができるかもしれない。

きんぴかの心を想い歌った青年は50年後に彼や僕らの暮らす地球を想い生きとし生けるものの声を携えて歌った。その2016年の記録。このライブアルバムは、彼ニールヤングが反GMO(GMO作物の危機はここ日本でもすぐそこに迫っている)のコンセプトアルバムを作った翌年に発表され、無関心に暮らし続けたその代償を聴くものに突きつける。

今や僕らを生かす食物や水、空気や山に海、そして僕ら人間や動物さえも悲鳴をあげていて、僕らはもうそれに気付かなければならない。気付かぬうちに蝕まれる数々に抗うその一歩はこの悲惨な状況に向き合いそれを知る事なんだろう。

そして、少しでも清々しい朝と未来を見つけるために嘘か真かもわからない溢れる情報から目の前にある現実を手繰り寄せ、きんぴかの心をもう一度探しに行こうじゃないか、と50年も休むことなく歌い続けそうやって年老いた歌唄いにバシッと尻を叩かれるようだ。

このままじゃいけない、と日々自分の怠惰と非力にどうにか抗いたい僕へたくさんのきっかけをくれる一枚とゆうか三枚組レコード。

うし number two
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