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Have a Nice Day! ONEMAN SHOW “STORM” 11th July 2024 at clubasia Live Review by 与田太郎

KKV Neighborhood #226 Live Review - 2024.7.23
Have a Nice Day! Live 11th July 2024 at Club Asia Live Review by 与田太郎
All Photos by Morooka Manabu

Photo by Morooka Manabu

Have a Nice Day!が帰ってきた。と言っても彼らの活動が止まっていたわけでもなく、どこかへ行っていたわけでもないのだけれど。2022年6月の代官山UNITから始まったワンマンからスタートしたDJミックスのようなロングセットから2年、そのあいだ2022年と2023年は極力ライブを絞りフェスや複数のアーティストが出演するイベントもほぼ数回だった。あれほど頻繁にライブ行っていたハバナイがまるでチューニングをやり直すようにライブの数を絞り、2024年はワンマンのみでここまできている。

Photo by Morooka Manabu

この日クラブ・エイジアのライブを見て僕は2年間にわたるチューニングが終わったことを実感した。コロナによるライブ活動の制限、時に制御不能となるフロアの狂騒やオーディエンスとの罵り合いや軋轢、ここ数年ハバナイを取り巻く状況は一筋縄ではいかない難しいものだった。
そんな状況を打開するようにロングセットでのワンマンが繰り返されてきた。そのことを僕は2023年2月渋谷WWWXで行われたライブのレビューでも書いている。


遊佐春菜 : Key & Cho Photo by Morooka Manabu


GOTO : Drums photo by Morooka Manabu


シマダボーイ : Percussions photo by Morooka Manabu


マキノゲン : Guitar, Chorus photo by Morooka Manabu

この時点ですでにバンドの演奏もステージの流れも完成していた。では今回のライブでようやくチューニングが仕上がったと感じたのは何故か。それはハバナイのライブの最大のエンジンであるフロアのオーディエンスとのコミュニケーションが理想の形で成立することができたからだ。

Photo by Morooka Manabu

僕はハバナイのライブはパーティーなんだと常々言ってきた。たった数十分であったとしてもオーディエンスがフロアに作り出す無軌道なエネルギーはパーティーそのものだからだ。2011年から活動を開始したハバナイは新宿で”SCUM PARK"というパーティーを作り出す。インディーズ・アイドルがブームになり、数年後にはジャンルを超えて様々なスタイルのバンドが当確を表し、アンダー・グラウンドで熱を帯びたシーンを形成し始めた。その中でハバナイはジャンルを問わず勢いのあるアクトと対バンを重ね、新しいオーディエンスを獲得していった。2015年にクラウドファンディングを使い恵比寿リキッドルームの公演を成功させる。その過程でSNSとWEBメディアを駆使してオーディエンスを煽りながら、ちょっとした現象を巻き起こす。多い時には月に5~6本のライブをこなしながら、同時にフロアの混沌はさらに大きくなっていった。

Photo by Morooka Manabu

パーティーの主役はオーディエンスだ、という言葉は1989年のストーン・ローゼズの言葉だが、ハバナイのライブも同じようにオーディエンスが主役であり、また彼らこそがライブのエンジンとも言える。最高の時には言葉にできないカタルシスが会場全体を包む、しかし時にエンジンが暴走しクラッシュすることもあった。コロナでライブ活動が制限される直前の時期に浅見北斗は最も苦しんだのではないだろうか。2022年6月以降のライブを見ている人にはハバナイが少しづつパーティーを立て直してきたことを知っているだろう。今回のエイジアでのライブでは言葉ではない部分でオーディエンスとコミュニケーションを取り、フロアのエネルギーを素晴らしいかたちでコントロールしていた。このライブが続く90分間は日常の嫌なことを全て忘れ、歌い踊り時に叫びながら自分を取り戻し、そして楽しんでいたオーディエンスが多かったはずだ。僕自身もほんの一瞬だとしてもこれこそがパーティーだと思った。

photo by Morooka Manabu

そして、最高の状態となったハバナイが11月18日に恵比寿リキッドルームでのワンマンを行う。2015年、彼らがアンダーグラウンドから頭角を表す大きなきっかけとなった場所であり、数々の名場面を作ってきたダンスフロアだ。2020年以降にハバナイを知った人も、"フォーエバーヤング"はもう聴き飽きたという人もぜひ見にきてほしい。そして会場を覆い尽くすエネルギーの一部となって楽しんでほしい。DJミックスのようにアレンジされた曲たちがこれまでとは違った聴こえ方をするだろう。いまの東京でこんな場所は他にはない。11月18日リキッドルームのフロアで会いましょう!

STORM

Have a Nice Day! ONEMAN SHOW “STORM 2.0”

会場:恵比寿LIQUID ROOM
日時:2024年11月18日(月)
開場 19:00 開演 19:30

チケット発売中
料金:前売り券:¥4,200 / 当日券:¥4,700
※税込・ドリンク代別・未就学児童入場不可

※学割チケットをお持ちの方/お求めの方は当日受付にて顔写真付きの学生証(予備校生を含む)の提示必要。

※Have a Nice Day!公演では原則的にダイブ・クラウドサーフ・リフトなど周囲の人より高く上がる行為を禁止しております。 大きな怪我や不慮の事故等防止のためご協力ください。

主催:ASOBiZM お問い合わせ先:キョードー横浜
TEL:045-671-9911 (月〜土11:00〜15:00 )

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