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must have(3)

最後のmust haveは筆記用具です。何十万円もするものから100円のものまで、ただ書くという行為の手段にこれほど価格に開きがある製品も珍しいでしょう。特に日本の筆記用具は廉価かつ頑丈。壊れることもなく書き味もこれほど秀逸なものはありません。

僕にとって何故、筆記用具がmsut haveなのか?それは書くという行為が僕の精神安定剤だからです。ちょっとした気付き、メモ、そしてスケジュール。気が向けば小説も書きます。葉巻と同じで「書く」という行為は僕を安定させてくれるのです。外野のざわつきが消え、「書く」という行為を味わうことができるのです。必要のある筆記は日常的ですが、小説を書く時はほとんど精神的にちょっとしんどい時です。少しもやもやする時などは、小説を書いているうちに物語に入り込み、ほとんどの悩みが少しずつ消えていくのを感じることが出来ます。(小説の出来は問わないでくださいね)

どんな高価な筆記用具でもその機能は「書く」ということだけ。どこかに飾って眺めるものでは決してありません。(そういうものは筆記用具ではなく宝飾品の類です。)実用的であることが筆記用具の使命です。ということは書き味が生命線です。どんなにデザインがよく、握り心地が良くても書き味がしっくりこないとそれはただの棒です。従って、装てんされているインクの出来がその筆記用具の使い心地を左右します。

まだ日本製インクがそれほど機能的に優れていなかった時、僕はドイツからインクを取り寄せていました。まったりとしてそれでいてスムーズ。そのインクは長い間僕のmust haveでした。しかしある日、日本製の画期的な製品が発表されてからは日本製がベストになりました。

僕はどんな筆記用具でもノック式です。万年筆、ボールペン、シャープペン、どれもノック式が好きなのです。あの「カチッ」とする行為が何かを始める時に必要なのです。大体において高級品はスクリュー式です。スクリュー式は僕にとって煩わしいだけで、どうもスタートをくじかれる気がします。始まりがはっきりわからないままスタートしてしまう感じでしょうか。

ただノック式の最大の欠点はノックした後にその部分が不安定になり書いている間、うるさいことです。まあいらつくほどのことでもありませんが、欠点をあげるとしたらノック部分の不安定さです。

長年、書き味と優れたデザイン、そしてノック式の筆記用具を探していました。これといったものに中々出会えなかったのですが、ある時ネットで今まで見たこともないような形状のボールペンが売られているのを見つけました。デザインも秀逸でインクは日本製のものが純正で装備されています。そしてノック式。

1年ほど迷ったでしょうか?(なんせ高いのです。)思い切って購入してから僕の筆記生活が一変しました。このボールペンを使う前までは気分次第で筆記用具をとっかえひっかえしていましたが、今ではこのボールペン一辺倒です。書き味◎、デザイン◎、ノック部分が完全安定◎。

筆記用具難民が定住地を見つけたような感じです。

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