マガジンのカバー画像

名画座大澤支配人の心と身体の休憩室

15
地方で名画座の支配人をやっている大澤です。人生は悩み多きものです。「しんどい時はいったん休んで、それからまた一歩踏み出せばいい」、これは私がいつも自分に言い聞かせている言葉です。…
運営しているクリエイター

2021年4月の記事一覧

10.真・善・美、そして愛

名画座支配人の大澤です。 今日は昔、私にもの凄いインパクトを与えた映画のお話をしたいと思います。その映画のタイトルは「チョコレートドーナツ」(原題は「Any Day Now」)。 この映画に登場する主人公たち(ゲイのカップルとダウン症の男の子)は我々が勝手に普通と思っている世界において異質と捉えられている人たちです。物語はそんな人たちの生きざまを強烈に描き出しています。時代は1960-70年代。2021年を生きている我々にとっては想像もできないくらい差別的であり、異質な人

9.「絶対的な存在」>「コーギトー・エルゴー・スム」

名画座支配人の大澤です。 最近、ドリル小説第二弾となる「コミュニケーションドリル」を発表しました。思いの外、好評をいただいており嬉しく思っています。人の悩みは色々な側面に存在しますが、その中でも人間関係に関するものは自分一人で解決することが出来ないので厄介な悩みです。今回のドリルはコミュニケーションに焦点をあてていますが、コミュニケーションは人間関係を築く入り口であり、良い関係を維持する手段でもあります。コミュニケーションを改善することが人間関係の悩みを解決することになるの

8.知らないことを知る

名画座支配人の大澤です。 今、ある女性との出会いから始まったコミュニケーションについての対話を元にドリルを作成中ですが、最近は集中力が減退しているせいか、執筆の方はカメのような歩みです。 集中力不足の時、私は映画を観ることにしていますが(それが仕事なんですけれどもね)、あまり観たことのなかったロシア映画を最近立て続けに2本観たのでそのことを少しお話ししてみたいと思います。 その映画は「スターリンの葬送狂騒曲」と「戦火のナージャ」です。両方とも第二次世界大戦勃発の何年か前