見出し画像

好きな広告3つ選びました

あまり公言したことがないのですが、元広告制作会社の社畜営業マンです。
もう10年以上も前になります。

たまには作り手目線で見てしまうこともありますが、今はほぼ一般視聴者目線です。

そこで。
一般目線8割、広告マン目線2割で、好きな広告を3つ講評してみます。
本当はもっともっとありますが、最初にパッと浮かんだ3つです。
それではまいりましょう!

ぜったいきれいになってやる(エステティックTBC)

これはCMが絶妙によかった!本当によかった!
まだブレイク前の坂井真紀さんが、涙をポロリとこぼしながら、鏡に映る自分に一言「絶対きれいになってやる」とつぶやく、ただそれだけのCM。

セリフや状況説明がほぼないけれど、
坂井さんの演技力も相まって
失恋したんだろうな・・・と伝わってくる。

そしてテーマソングがまた秀逸。
竹内まりやさんの「元気を出して」が、シーンにピッタリはまるはまる。

このCMを観て、TBCがより世間に認知されたのは間違いありません。
ちなみに、坂井真紀さんはこのCMをきっかけに、一気にスターダムを駆け上がりました。

CMには、シーンどおりの音楽を使うこともあれば、あえて違和感のある音楽を使うこともあります。

この「違和感」は、たった15秒だけで勝負するCMにとっては強い味方。
無意識に「え?」と思わせて、最後まで視聴するのを狙うケースは意外と多いです。

今回は寄り添い型CMなので、音楽は「元気を出して」で大大正解ですね。

何も足さない。何も引かない。(サントリーシングルモルトウイスキー山崎)

実は、広告としてはよく知らないんです。
ちゃんとCMを観た記憶もなくて。

ウイスキーにも詳しくないですが、こういう「商品としての姿勢」を無骨に、愚直に表現するのは、王道だけどやっぱり刺さる。

しかもこのコピーの凄まじさは、もはやキャッチコピーの枠を超えて、一つの「価値観」として捉えられていること。

実際に私も、このコピーを一種の「師」のごとく胸にしまっていて、迷いが生じると、時々思い出して立ち返っています。

複雑になりすぎたらシンプルに戻す。
何も足さない。何も引かない。
その状態からもう一度練り直す。

仕事でも人間関係でも、迷ったら
何も足さない。何も引かない。
あるがままに。ありのままに。

まずい!もう一杯(キューサイの青汁)

八名 信夫さんというコワモテ俳優が、青汁を飲んで一言
「まずい!もう一杯」と口にして、グラスを差し出す。
ただこれだけ。

このCM、一説によると、元々はこのセリフではなかったそうです。
ただ、八名さんがあまりの不味さに、「これ、不味いって言っちゃだめですか?」と提案されたそう。

そこで承諾するキューサイさんの懐の深さも素晴らしいですが、実はこのコピーには、観た人間が興味を持たずにはいられない「2つのポイント」があるのです。

1つ目のポイントは、商品のデメリットを率直に伝えていること。
普通に考えれば、食品で「不味い」と伝えるなんてご法度です。

しかも、こんなコワモテの男性が顔をしかめて「不味い」と言うなんて、よっぽどだろうな・・・と思いますよね。

でも、それを上手に打ち消しているのが、そのあとに続く「もう一杯」というセリフ。
この「え?」と感じさせる意外性が、2つ目のポイント。

「そんなに不味いのにもう一杯飲むってことは、よほど身体にいいんだろうな。」
「そんなに身体にいいなら飲んでみようかな。」

こんな気持ちにさせられます。

広告マン目線で言うと
スタジオ、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、八名さん、そして青汁。
この6つが揃えば撮影できるから、非常にありがたい(笑)

いかがでしたか?
素敵な広告はほかにもたくさんたくさんありますので、またそのうちご紹介したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?