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アニメ 『灰羽連盟』 (2002) 感想メモ



2002年のTVアニメ『灰羽連盟』全13話を観ました。

以下、各話視聴後の簡単な感想メモのコピペです。




第1話 繭・空を落ちる夢・オールドホーム 

なんかlainみたいな陰鬱サスペンス雰囲気アニメだと思ってたけど、観てみたら世界観をよりフシギにしたちょっと灰色なARIAだった。

羽生えるシーンがめちゃ痛そうでキツかった。

音楽がとても良い

セル画?って言うのかよく知らないけど、昔のアニメ特有の画の動きがファンタジックな世界観と合っていて良い

あと光輪をドーナツ型フライパンで熱して乗っけるシーンと、その後の針金で補強するシーンめっちゃ笑った。こういう、ファンタジー的想像力がリアリティと地続きになるのめっちゃ好き

あと、田舎の田園風景みたいな外の美術がとても好き
あぜ道沿いの電柱と風車、川の流れ……

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落下の羽をブラシで洗い、ブラシの汚れを水で落とすところの作画もめちゃくちゃ良かったなぁ

「ハイバ-レンメイ」かと思ってたら「ハイバネ-レンメイ」だった。


第2話 街と壁・トーガ・灰羽連盟 

この独特な世界設定と雰囲気、既視感があると思ったら『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の「世界の終わり」だ。少ない人数で慎ましい共同生活を営むファンタジー壁内世界



第3話 寺院・話師・パンケーキ

キャラ同士のやり取りが丁寧でいいなぁ。何気ない仕草とか言葉を大事に描いている。すごく平和で癒やされる……ずっと観てられる



第4話 ゴミの日・時計塔・壁を越える鳥

すごく良い…… 「生活」って感じ
エモい田園風景がある分ARIAより好きかもしれん



第5話 図書館・廃工場・世界のはじまり 

「世界の始まり」についての信仰と想像の話なんだけど、それより成人男性の灰羽いるんだ!?

てっきり女性と子供しかいないフィクショナルな楽園かと……

てかオールドホームの住人以外にも灰羽はいるんだ!!
あの街で灰羽がどういう存在か、どう受け止められているのか分からなくなってきたぞ。ほんとふしぎな雰囲気だなぁ



第6話 夏の終わり・雨・喪失

これは泣く。世界観(誤用)ほんと重厚だなぁ



第8話 鳥

第三村に思えてきた
井戸ってまた露骨に春樹的なものを……



第10話 クラモリ・廃工場の灰羽達・ラッカの仕事

そういや男女の灰羽で生殖は出来ないんだろうか
疑似家族モノとして見たときに、灰羽の設定は出生させることの加害性を回避しているため、作中世界が非現実的なユートピア・楽園としてより補強されると思っていたが、もし生殖できるとなると話が違ってくる。
※追記:最後まで観た限り、灰羽の存在理由からして(性行為はともかく)生殖-出産は出来なそう。しかし、男女関係が存在する余地があるだけでも楽園性は少なからず損なわれるとは思う。それが悪いわけではないが。



第13話 レキの世界・祈り・終章

レキのシーン、全カット構図演出が完璧に決まってた
後半は泣いた。よくわからんけど。
ラッカの旅立ちで終わらなかったのは意外だった。



ーーーコピペおわりーーー


・まとめ

最後まで観ても、「灰羽」とは?「罪」とは?あの世界とは?彼女たちの前世は?的な、作品設定・ストーリーの根幹にまつわる部分に関しては正直ぜんぜんわかっていない。灰羽たちの真の名前とか、前世の死因がどうこうとか、個人的にはどうでもよくて、肯定的な意味で「雰囲気アニメ」として楽しんだ。作画、美術、声優、音楽……どれをとっても高水準で、それらが同じものを志向することで『灰羽連盟』という独特な雰囲気のアニメを形作っていると感じる。
キャラみんな好きだけど、終盤にかけてネムは特に気に入った。眠ってばかりのマイペースな人物かと思いきや、年長者としての落ち着きがとても好ましかった。(ネムはレキよりも歳上)

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一話冒頭の「空から女の子」シーンは、Orangestar好きとしても見逃せない。(アスノヨゾラ哨戒班の直接の参照元はストライクウィッチーズ2期のエイラーニャ回だと思うが)
ラピュタは86年、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』が85年ということで、これらは更に昔なんだなぁ。歴史を感じる。

本作を観て、いかに現代の(深夜アニメ)オタクの「萌えアニメ」パラダイムに囚われているかを痛感した。淡々とした日常を少女たちが過ごす、いわゆる「日常アニメ」("やさしい世界")と『灰羽連盟』は類似する点も多いが、「萌え」がまだ普及する前の(※)この雰囲気は、現代萌えアニメに入り浸っている私からすると非常に新鮮かつ独特で、今ではもう絶対に実現しえないオーパーツを鑑賞しているような気分にさえなった。

※動ポモでおなじみの『デ・ジ・キャラット』は99年なので灰羽連盟より前。

『AKIRA』(88年) といい、現代人にとっての「昔のアニメ」を観るとその作画のクオリティに驚く。いま観てる『かみちゅ!』(05年) とかもそう。現代アニメを相対化する意味でも、昔の作品にも触れていきたいと思った。(月並みな感想)

『灰羽連盟』、あまり触れたことのないタイプの、しかし非常に心地よい素敵なアニメでした。




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