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【2018年】上半期ボーカロイド楽曲10選


数十曲、数百曲あるお気に入りマイリスの山から名曲たちを泣く泣く削り落として自分だけの最強のプレイリストを作り出す。
それがボカロリスナーの恒例イベント、ボカロ10選。

さて、今年もこの季節がやって来ました。
最近は某掲示板の月間10選も流行っていて、ますますボカロ10選周りの活気が高まっていることを感じます。
とは言っても、やはり年間10選と、それに準ずる半年ごとの上半期・下半期10選への思い入れは(わたしの中では)段違いにあります。

実はわたしが初めて投稿したnoteも、昨年の上半期ボカロ10選の記事です。

今ではありがたいことに多くの人に読んでもらえていますが、当初はまだひっそりと記事を投稿していました。未読のかたはぜひ読んでみてほしいです。

というわけで、そんな自分にとって思い入れのある上半期10選、今年も作りました。この半年間で出会った数多くの曲のなかでも特にわたしが好みの10曲を、どうぞ聞いてください。

※順番は投稿日順です。Youtubeは公式動画がある場合のみ併記します。


1曲目:  at / 宇田もずく

電子音を全面に押し出した、極めて中毒性のある曲を作る宇田もずくさん。自分が今年知ったなかでもイチオシのボカロPです。

EDMやドラムンベース調の曲をわたしが好きになりにくいのは、ボーカルパートが疎かにされがちだから。でもこの曲は違います。とにかく歌メロが良過ぎる

藍 終わらない独白さ 鼓動をそう交換だ
白黒つけたいな 横断歩道横断歩道

電子音にまみれた強いイントロのあとの歌い出し部分です。ここでもうお手上げ、降参でした。流れを切る独特なリズムと癖になるメロディが最高すぎる。特に「おーだんほどーおーだんほどー」のところが大好きです。

一旦惹き込まれてしまえばあとは曲の思うがまま。息もつかせぬ展開にあなたも酔いしれましょう。



2曲目:名前のない誰か / ANGL

(Youtube版はこちら)

王道のミクノポップでありながら、凡百のそれらとは一線を画す確かな良さが感じられる1曲。正直なところ自分でもどこが好きなのか言語化しにくく、「全部好き!」って言っちゃいたい曲です。

好きなところをひとつ挙げるなら、適切なタイミングで差し込まれるクラップ音。ナユタンさんの曲もそうですが、「ここでノリたいなぁ」と思うちょうどそのときにクラップが鳴ると、聞いているだけで超気持ちいいんですよね。

名前も何にも知らない どこかの誰かさんが
ぼくらの作った全てに 想い揺らし 涙を流すの

歌詞はほとんど聞いていないのですが、この前向きにしてくれる詞は本当に良いと思います。ミクの声で歌われるからこそ、スッと心に届きます。



3曲目:Yawn'n'yawn / やすみつ

わたしがボカロ曲を漁るとき、ランキングよりもタグ機能を主に使います。お気に入りのタグを幾つか登録しておいて、「投稿が新しい順」で気になる動画を聞いていきます。もっとも良く使うタグは「ミクトロニカ」タグです。

この曲もミクトロニカタグから見つけた1曲。これには本当に衝撃を受けました。歌詞は英語を用いていますが、投稿者によると「全部あて字なので意味不明」。
わたしは歌詞の内容よりも耳当たりの良さを大事にするので、かえってこのような詞のほうが好みです。

静かに進行しながらも、終盤にはちゃんと盛り上がるのが素晴らしい。メインボーカルの裏でもコーラスや伴奏としてミクの声が入っており、ミクトロニカの良さを全て詰め込んだような曲だと思います。



4曲目:曖昧じゃない / カド丸

(Youtube版はこちら)

ボカロディスコはいいぞ」と教えてくれた曲。

ダンスをやっている性質上、「踊れる曲」は好きになりやすい傾向にあります。この半年間でも、ちゃむさんの「ディスコビート・キャスター」やピコンさんの「ガランド」などは自分のなかでその括りに入っています。

そんな"踊れる曲"のなかでも最高に踊れるのがこの曲です。
とにかく踊れる。それに尽きる。

ボカロ曲にも、このような王道のディスコがあることに嬉しくなります。シーンのメイン層的に評価はされにくいかもしれませんが、これからもこうした曲が増えていってほしいな、と思っています。



5曲目:music of life / おもち

耽っていけ この音楽に
沈んでみて 揺らすビートで

この曲も好きを説明するのが難しい。「なんか、めっちゃ好き」としか言えない…

やはり歌メロ、ミクのボーカルパートが大好きです。ふわふわとただよいながらも、芯の強さを感じる唄、とでも言いましょうか。サビの韻踏みも気持ち良い。

そのボーカルをしっかりと支えるオケも、気品があって素晴らしい。イントロやアウトロ部分のお洒落なキーボード(?)の音とか最高です。

ジャンルとしてはいちおうR&Bファンクに分類されるらしいです。今年はこの曲のような、お洒落な曲を好きになりやすい気がしています。

(本記事のサムネイルには、この動画のるぅ1mmさんのイラストを使用させて頂きました。)



6曲目:呼んで、忘れないで。 / SelectBB

普段めったに好きにならない「ボーカロイドイメージソング」にまんまとやられたのは、やはりIAさんの曲だからでしょうか。

とにかくサビが好きです。何気なく再生していて、思わず涙しそうになったほど。

ねぇ、聞いて。 あたしの声を
連れてってよ。 キミのいる未来
お願い。

このエモーショナルな叫びを、よりによってIAさんが歌うなんて。掠れ気味の声で、誰よりも美しい高音に心を動かされない筈はありませんでした。

10選のなかで1曲くらい、こうした1点突破で好きになった曲があってもいいと思います。だから入れました。



7曲目:ヨヅリナ / ピノキオピー

(Youtube版はこちら)

みきとPの「ロキ」を最後の最後で泣く泣く削ったので、この曲が今回の10選中もっとも有名な曲だと思います。

新曲を出すたびに「ココ最近のピノさんで1番好きかも…」と思わせてくれるピノキオピー。というわけで今現在の最新曲であるこの曲がランクインしました。

この曲もわたしのなかで踊れる曲として位置づけられています。Future Houseなるジャンルらしいですが、どんな曲調でもピノさんの手にかかればそれは紛れもない「ボカロ曲」に昇華され、抵抗なく聞くことができます。

「とぅるっとぅっとぅっとぅるっ」という部分がサビかと思わせておいて、もう一弾ギアを上げて本サビに入るところとか大好きです。ピノさんとミクの掛け合いも楽しい。

これだけ多幸感に溢れた曲なのに、アウトロではなぜか切ない雰囲気になるんですよね…そんなところも好きです。



8曲目:あんだんて / 安芸章太郎

ユゥトピア・ディスコテェク」もいい曲ですが、わたしが推したいのはこの曲。

実は自分はキンキンした高音が苦手なので、リンやウナの曲を好きになることは珍しいです。
ですがこの曲は、リンだけれども好き…というより、リンちゃんだからこそ好き!と言える貴重な1曲。

金管の「パッパラッパー」という伸びやかな音、ずっと同じリズムを刻むギター、それらのオケに支えられ、まるで笑った顔を上げて楽しそうに歩むリンの姿が浮かんでくるようなボーカル。

決して涙したり大きく感動するような曲ではなく、日常に寄り添って、少しだけ気分を晴れやかにしてくれる、そんな曲。

知名度的に、この10選でもっとも皆さんに聞いてほしい曲です。



9曲目:Ever / Guiano

(Youtube版はこちら)

ぐいあのさんは自分がもっとも熱心に追いかけているPのひとりです。まだ若いこの作曲家は、往く先々で色んなアーティストを好きになり、大いに影響を受けながら曲を作り続けています。若さを体現するようにコロコロと様々な側面を見せてくれるので、追いかけていて楽しいんです。

最近だと「眠り姫」が尊敬するn-bunaさんに褒められるほどヒットしていましたが、自分がもっともぐいあのさんの真髄を感じたのはこの曲です。

エド・シーランに影響を受けまくっている最近の曲調とは一転して、この曲はピアノ伴奏のみでIAが歌い上げる、極めてシンプルな作り。だからこそ、彼のもともと持っていた作曲センスがよく感じられます。

何度も何度も同じ言葉を繰り返す、どこまでも愚直な詞。それを次第に手を変え品を変え盛り上げていく伴奏。彼にしか作れない、これからもぐいあのさんを追いかけ続けようと思わせてくれた1曲です。



10曲目:インコヒーレンス / ぐとら

(Youtube版はこちら)

薄明とシアン」で今年3月にデビューした期待の新人Pぐとらさんの第2作。

ゆったりとした風格のある曲調だった前作とは打って変わって、今作は飛び回る電子音にテンポよくドラムが刻むテクノポップ

サカナクションの「インナーワールド」やスーパーカーの「YUMEGIWA LAST BOY」を彷彿とさせる、美しく繊細ながらノレる曲です。

またIAさんの歌メロが素晴らしいんです。高音になればなるほど映えるハスキーボイスが、宇宙を思わせるキラキラした電子音のなかに高らかに響き渡る様は、聞いていて言葉を失います。

まだ2曲目とは思えないほど質の高い音楽を作っているぐとらさんにますます目が離せません。



以上10曲がわたしの2018年上半期ボーカロイド10選になります。

7月に入って既に多くの注目作が投稿されていますね。下半期もたくさん「大好き」と言える曲に出会えればいいなと思います。

【18年12月追記】
マイリストを年間10選と合わせました。こちらからご覧下さい↓


それではまた。

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