good record journalはアナログレコードというライフスタイルを通じて、自分にとって大切なことを見つけ、感性を育てていくための雑誌です。レコードカルチャーを愛する人々の価値観に触れ、さまざまな垣根を超えて、繋がることができるようなコンテンツを届けていきます。
つくることは生きること。 そういう理屈を考えてみた。 これまでいろいろなところに住み、あまり落ち着きのない人生を送ってきた自分だが、いまは自分たち家族が住む家をつくっている。元来、様々な場所、環境に身を置いて新しい刺激を得ることを好んでいたが、子を持つ親として、自分たちの巣が必要だという人間の動物的本能なのからなのかもしれない。とにかくいまは色々なところに行きたいという欲求が薄く、自分たち家族にとっていい環境をつくるため、築100年の古民家を再生した家づくりに没頭している。
いまここにある自分 いま、福岡県の津屋崎という港町で、築約50年の古民家を借りて小さなレコード屋を営みながら、奥さんと一緒に、四歳の双子男児と二歳の女児の三人の子育てをして暮らしている。まだ何も改装もしていない昭和の雰囲気が色濃く残る建物に、雑然とレコード、本、オーディオ機材などを並べたこの場所は、元々は自転車屋を営んでいた店舗兼住居で、20年以上も空き家になっていたところ、縁あって使わせてもらっている。このあたりは、江戸時代から港町として栄え、家がひしめくように並んでいたこ
