アンケート2

前回の続きを書いていく。博物館に入ったところからだ。エアコンの効いている博物館は快適だ、ただ長くいると体が冷えてしまうことが心配だ。
額の汗が展示物のガラスに落ちない様に気をつけながら見学する、古墳の分布図や内部の構造など見ながら当時のことについて思いを馳せる。こんなでかい墓なんのために作ったのだろう、権力を示すためか、当時の公共事業だったのか、働いていた人の給料はどのくらいだったのか、税金はどのくらい取られていたのか、働いている人は今と変わらずぼやいていたのか、昔から現場猫がいたのだろうか、思いを馳せるといってもこの程度しか考えることができない。当然だ、この頃の知識が私にはまったくない。この時代の時代小説があるのだろうか?まぁあってもあまり人気がなさそうだなと思いつつ読んでみたい気にもなる。まぁこれを書いている今もまだ読んでいないのだが…。
他の見学者に学芸員が説明している、私はその輪に入る勇気はないので盗み聞きをする。
印象に残ったのが、仁徳天皇の墓かまだ分からないということだ。さっきまで仁徳天皇と毎日話をしているおっさんがいたのに仁徳天皇の墓かどうかわからないとは驚きだ。
じぁあ、おっさんはいったい誰と話をしているのだろうか?まぁわからないということは仁徳天皇ということかもしれないので、おっさんは毎日仁徳天皇と話しているのだろう。
体が冷えてきたので見学もそこそこに外に出る、日差しは相変わらず強い。おっさんはまだ話をしているのだろうか、私はおっさんに見られないルートで駅に向かった。

ところで社員旅行の一番の問題は移動だ、大阪に行ったときはバス移動だった。私の席の隣には誰も座らなかった、一番後ろの席を勧められたがそんなところには座りたくもない。学生の時もそうだったがバスの一番うしろの席は陽キャの場所だ、皆の人気者になってあの席で楽しむ、それに憧れた時期もあったが私の場合は妄想で終わった。
後ろから聞こえる楽しげな声、ビールを飲みカラオケをしているのだ。私は本を読み過ごす、現地集合ならどれほど気が楽か、疎外感を感じながらバスは走っていく。


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