見出し画像

依頼を受け、自ら監獄に収容され、そして脱走、その監獄の脱走可能性を提示する、というセキュリティ・コンサルタンティングを行なっているレイ・ブレスリン。数ある監獄の弱点を記した書籍まで出している。そんなブレスリンの元に、次なる依頼者が持ってきたのは、今までとは異なる、異色の脱獄だった。収容先は非合法の極秘刑務所。場所は教えられず、仲間は緊急時の手助けもできない。体内に埋め込んだ発信機も、「移送の請負業者」に取り出されてしまった。

この非合法の極秘刑務所は、ブレスリンの書籍を参考に作られた「絶対に脱獄できない刑務所」でもあった。収容先で出会ったのは、エミル・ロットマイヤーという囚人。ブレスリンは彼と協力し、この刑務所から脱出を試みる。

三幕構成

実際の作品長は1:50:00。各幕の目安時間は
* プロットポイント1 / 27:30
* ピンチポイント1 / 41:15
* ミッドポイント / 55:00
* ピンチポイント2 / 1:08:45
* プロットポイント2 / 1:22:30

第1幕

ブレスリンの生業の紹介と、新しい依頼の説明。移送の請負業者から乱暴な扱うを受け、不穏な空気が流れる。

プロットポイント1

ホブス所長と会う。所長がブリーフィング時に説明を受けた協力者である人物と異なることから、プロジェクトのトラブルを察知。避難コードを所長に伝え、プロジェクトの中止を試みるも、ホブス所長には伝わらなかった。ブレスリンは名実ともに、投獄される事になった瞬間。

第2幕前半

ロットマイヤーと出会い、脱獄に必要な準備を整えるフェーズ。最初の葛藤としては、脱獄そのものであり、「いつもの通りに」脱獄を試みるのがここ。

ピンチポイント1

懲罰房に入り、ライトによる灼熱地獄を味わうところ。ただの単独房ではなく、明確な、しかも抗いようがない状況に陥る。

ミッドポイント

懲罰房から脱獄をしてみると、そこは海の上。巨大タンカーの中であることを知る。「収容」から逃れられても「監獄」という場所からは逃れられないことがわかり、今までの経験をフル動員して、この監獄から脱出する方法を考える方向に変わる。

第2幕後半

タンカーの中であることを前提とした、脱出計画を行うフェーズ。ピンチポイント2までは、ほぼ進展なし。今の外の世界の状況説明や、

ピンチポイント2

ブレスリンの不穏な動きがばれ、まだ誰も監修されていない「E区画」へ移されてしまう。しかも、房の外に出られないおまけ付き。そこでブレスリンは、ロットマイヤーから義賊マンハイムの情報を手に入れることを条件に、元の区画へ戻してもらおうとする。脱獄のための手が一切使えなくなりそうになるポイント。

プロットポイント2

一般的に、ここでは主人公が挫折する、生まれ変わるところとされるが、この付近で主人公の意思が折れる箇所が見当たらない。あえていえば、時間的には「C区画脱走計画」のための連絡手段がバレてしまう、という箇所になるが、これ自体はブレスリンがまいた罠っぽいし、

第3幕

実際に脱走を行う。

所感

非常にキレイな三幕構成になっている気がする。時間的にほぼ1/4ずつのところに転換ポイントがあり、わかりやすい。アクション映画ゆえ、この基本はガッチリ守ることでストーリーとしての面白さを担保させているのかも。

実は、第1幕の中間あたりで「前の仕事」が一段落していたり、第3幕の中間あたりで、ヘリコプターによる救助がはいったり、1/8地点に転換ポイントを用意するなど、リズムは結構明確になってるのかな、という感じ。クライマックスは1:42:00あたりなので、1/16かな、と考えられなくもないが、2時間映画を1/16もしたら、そりゃ何かしら区切りは出てくるよな…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?