#180 「"世界の生活費ランキング シンガポールとチューリヒが首位」
12月3日 日曜日
皆様、こんばんは。TikTokerのmizumayuukiです。
今日は、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の2023年版「ワールドワイド・コスト・オブ・リビング」リポートに基づく、世界の都市の生活費について話していきたいと思います。
まず、今年の調査結果で目立ったのは、シンガポールとチューリヒが共に世界で最も生活費の高い都市としてランクインしたことです。これは特に注目に値する変化で、昨年はシンガポールとニューヨークが同率1位でしたが、今年はシンガポールがその座を維持し、チューリヒが6位から急上昇して同率首位に浮上しました。
シンガポールの場合、高い自動車所有コストやアルコール飲料の価格、食料品の値上がりがその背景にあるとされています。シンガポールは、土地面積が限られていることから自動車の保有にかかる費用が非常に高く、さらにアルコール税や食品価格の高騰が生活費を押し上げています。
一方で、東京と大阪は円安の影響を受け、それぞれ60位と70位に大幅に順位を下げました。これは日本の都市が過去に見せた強さとは対照的で、国際的な競争力に影響を与えていることがうかがえます。また、中国の都市も順位を下げており、コロナ禍後の経済回復の遅れや消費者需要の低迷が影響しているとされています。
チューリヒの急上昇は、強いスイス・フランや食料品・家庭用品価格の高騰、娯楽費の高さが主な要因です。スイスは物価が高いことで知られていますが、今年は特にその傾向が顕著でした。
世界の物価はこの1年間に現地通貨建てで平均7.4%上昇しましたが、これは昨年の8.1%から伸びがやや鈍化しています。EIUのウパサナ・ダット氏によると、今後はインフレがさらに減速し、世界的に物価高が和らぐと予想されています。
生活費の高い都市ランキングを見ると、シンガポールやチューリヒのような高所得国の都市が上位を占める傾向がありますが、このランキングが示すのは単なる物価の高さだけではありません。それぞれの都市の経済的な健全性や政治的な安定性、社会的な福祉水準なども反映されています。
特に、高いランキングの都市は、高所得者にとっては魅力的な生活環境を提供していますが、中所得者や低所得者にとっては生活費の負担が重くのしかかる可能性があります。これは、都市の持続可能な発展にとって大きな課題となるでしょう。
さて、日本の都市がランキングで下位に落ち込んだことについては、短期的には国際競争力の低下を意味するかもしれませんが、長期的には円安が国内経済に好影響を与える可能性もあります。例えば、観光業や輸出産業が活性化し、国内経済が活発になることが期待されます。
今後、世界の都市がどのようにランキングを変動させるか、またそれがそれぞれの国や地域の経済にどのような影響を及ぼすのか、注目していきたいと思います。
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