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過去の鷹戦士を振り返る 第2回 〜パ・リーグを渡り歩いた陽気なジャーニーマン ホセ・オーティズ〜

毎年のようにプロ野球には数多くの外国人選手が来ては去って行きます。そんな中でも毎年チームは変わるものの、名前を見かける外国人選手が稀にいます。今回は実力と話題性の両面で活躍した名物助っ人選手をご紹介します。

プロフィール

本名 ホセ・ダニエル・オーティズ・フローレンス

出身 ドミニカ共和国 サントドミンゴ

球歴
   オークランド・アスレチックス(MLB)
   コロラド・ロッキーズ(MLB)
   オリックス・ブルーウェーブ(NPB)
   ランカスター・バーンストマーズ(米独立)
   サルティーヨ・サラペメーカーズ(メキシカン)
   千葉ロッテマリーンズ
   サルティーヨ・サラペメーカーズ(メキシカン)
   福岡ソフトバンクホークス
   サルティーヨ・サラペメーカーズ(メキシカン)
   モンクローバ・スティーラーズ(メキシカン)
   埼玉西武ライオンズ

主なタイトル なし

オールスター(2004)


MLB時代 2001-2022

弱冠17歳でOAKとメジャー契約を結んでおり、当時から有望株として評価されていた。2001年のSEAとの開幕戦に2番 セカンドで先発出場すると、MLBデビューを果たしたイチローの初打席セカンドゴロを捌いた張本人である。その後COLに移籍すると持ち前の打力が開花し、13HRを放った。しかし翌2002シーズンは打者天国のクアーズフィールドを本拠地としながら僅かに1HRとスランプにこれが25歳にしてMLBで過ごした最後のシーズンとなり、NPBでの長いキャリアが始まることとなるのであった。


オリックス時代 2003-2004

試合数/打率(打数-安打)/HR/打点/出塁率/長打率/OPS
2003:127G/.255(470-120)/33HR/86打点/.311/.536/.847
2004:128G/.289(477-138)/24HR/71打点/.352/.499/.851

持ち前のパワーを発揮し、主軸として活躍するも守備難を露呈。2003年は主に2B,3Bを2004年は1Bにコンバートされたがいずれも低調なパフォーマンスに終わった。守備を重視する当時の伊原監督とは剃りが合わず、高年俸と球団再編の煽りを受け退団となった。退団後は米独、メキシカンリーグでプレーした。


ロッテ時代 2007-2008

試合数/打率(打数-安打)/HR/打点/出塁率/長打率/OPS
2007:67G/.284(250-71)/7HR/39打点/.331/.440/.771
2008:100G/.288(337-97)/11HR/37打点/.349/.454/.803

元鷹戦士のフリオ・ズレータを故障で欠き、打線強化を目論んでいたロッテがシーズン途中に獲得。2004年に見せたミートに徹する打撃で安定した打率を残した。課題だったセカンド守備も改善が見られ、ロッテ時代は内野全ポジションを守るなどUT性も見せた。(改善したと言っただけで上手いとは言っていない)
しかし期待された長打力は見せることができずにいると、守備でもグラブ投げつけ事件が発生するなど(この頃からOTZなプレーに注目されるように)物足りない成績に終わり退団。再度メキシコの地に。


ホークス時代 2009-2011

試合数/打率(打数-安打)/HR/打点/出塁率/長打率/OPS
2009:119G/.282(411-116)/20HR/74打点/.338/.496/.835
2010:117G/.270(415-112)/24HR/81打点/.329/.489/.818
2011:  80G/.215(186-40)/  7HR/15打点/.3278/.376/.654

この年もメキシコでプレーしていたオーティズの元に1本の電話が。松田の故障に伴い右打者の補強に動いてホークスからだった。獲得に際しては王会長からの進言もあったとか。
獲得当時の印象はロッテ時代の中距離ヒッターとしての印象が強く、正直物足りなさ、小物感は拭えなかった。が合流後は岸(当時西武)ダルビッシュ(当時日ハム)など各球団のエース級からホームランを放つなど長打力と安定したコンタクト能力ですっかり3番打者に定着。陽気なキャラクターも相まって人気は急上昇。
ロッテ時代主戦場だったセカンドには本多雄一がレギュラーとして君臨していたため、松田の抜けた三塁、松田の復帰後は左翼を主に守ったが相変わらずOTZな姿を度々見せ、守備固めの選手は必須であった。2010年も開幕から安定した打棒を披露していたが、8月に半月板を損傷。プレーを続けるも怪我の影響は隠せず、結局この時の怪我がその後のプレーに暗い影を落とすこととなった。2011年は怪我の影響で打撃が不調に終わり、シーズン終了と共に自由契約に。


ライオンズ時代 2012-2013

試合数/打率(打数-安打)/HR/打点/出塁率/長打率/OPS
2007:64G/.286(199-57)/9HR/21打点/.336/.462/.799
2008:29G/.210(100-21)/0HR/9打点/.279/.260/.539

退団から約半年後。この年もオーティズはメキシコから呼び出しを食うこととなる。新外国人のカーターが苦しむなど打線のテコ入れを図るライオンズがシーズン途中に獲得。獲得直後はカーターとのツープラトーンで主に左投手先発時の起用が多かったが、最終的に5番一塁の定位置を獲得した。しかし翌年は開幕から打撃不振。帰ってきたカーターと入れ替わる形でシーズン途中の6月に戦力外。日本を去ることとなった。



プレースタイル

外国人選手としては小柄な177cmだが、MLBでもシーズン13HRを放つなどパワーが持ち味。2004年以降はコンタクトにも主眼を置き、安定した打率を残せる。
ホークス時代はオリックス時代の長打力とロッテ時代のコンタクト能力のいいとこどりのような成績を連続して残した。守備は南米選手らしいアクロバティックなプレーを見せる一方で信じられないようなエラーやお粗末を披露してしまう。内野全ポジションに加え外野も守れるなどUT性はあるものの、2010年のけが以降は一塁がメインポジションとなった。
足も早く、積極的に次の塁を狙っていくスタイル。


感想のようなもの

毎年どこかのチームにしれっといたオーティズ。当時ホークスに不足していたパワーを補ってくれたのがホセ・オーティズという選手。衰えが目立っていたMK砲をうまくカバーしてくれた。家族が応援に来た時は無類の勝負強さで活躍していたことも。
現在はアメリカで自身のベースボールアカデミーを開講しているとのこと。

これからオーティズの育てた選手がMLB,NPBで出てくることを祈って終わりとしたいと思います。

それでは次の更新にて


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