―順応―
少女は、何も聞こえない世界に憧れた.
耳をふさいでも、物の声が聞こえる.
人の唇が視覚で動かなくても.
その人の声や感情が流れてくる.
何時からか少女は.
何も聞こえない世界に憧れた.
かたく口を噤む人になって.
誰もいなく.
人の手に、思いに触れている物の無い.
雑草敷き詰まる川べりに行くようになった.
空ばかり見上げて.
雲の動きばかりを見やる.
その時間の流れだけは.
唯一、少女の安息をゆるし.
唯一、誰の何の意識も気遣わずにすんだ.
人は少女を奇異な目でみる.
何時しか少女は、生き方のコツをおぼえる.
おぼえざるをえなかったから.
そしていつからか少女は.
俗世に染まり.
何も、
聞こえなくなった..
精一杯の情熱を一編一編 心と愛をこめて載せてます🍃🌸正真正銘の詩人になれる後押しと応援があると励みにも糧にもなります❤️どうか宜しくお願いします🌸💖🌸