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日本のGDPはどうなるのか(その1)

日本の国際競争力は急速に低下していると言われています。
欧米の先進諸国と差を開けられているだけでなく、中国、インドなどと比べても劣っている分野が見られます。
日本は世界の中で、どのような立ち位置を目指すかを明確にする必要がある時期に来ていると思います。
今回は日本のGDPがどのようになるかについて書いてみようと思います。

1.日本の人口減少とGDP


日本の国別の名目GDPはしばらくの間、世界第3位でした。2023年の数値が公表されてドイツが3位に浮上し、日本は第4位になりました。
ドイツに抜かれた原因は円安によって日本の米ドル建GDPが低下したためで、円安が解消されていけば日本のGDPはドイツのGDPを上回るでしょう。
日本とドイツはこの先もドングリの背比べだと思います。

しかし、日本の経済規模に迫ってくる国は多いです。代表格はインドです。
日本のGDPはすぐにインドに抜かれます。
その後は……インドネシア、ナイジェリア、ブラジル辺りに日本のGDPは抜かれていくのでしょう。

これらの国のGDPが日本よりも大きくなる理由は単純。人口が日本よりも遥かに多いからです。

GDPを単純化すれば以下の計算式で表せます。

GDP = 1人当たりGDP × 人口

人口が多い国において1人当たりGDPの増加は、国全体のGDP増加に大きく貢献します。

例えば、人口10億人の国で一人当たりGDPが年間1万円増えれば、国全体のGDPは10兆円増加します。日本の人口は1.2億人だから一人当たりGDPが年間1万円増えたとしても、増加するGDPは1.2兆円です。
つまり、国力を計る場合には人口は最も重要なファクターといえます。

2023年の国別人口は、インドが14.2億人、中国が14.2億人、インドネシアが2.7億人、ナイジェリアが2.2億人です。
このうち、中国は出生率が低いから人口は減少していくでしょう。しかし、インド、インドネシア、ナイジェリアはこれからも人口が増加します。だから、1人当たりGDPの増加と合わせて急激に経済規模が拡大します。

一方、日本は人口減少過程に入っています。日本の人口は2055年には約1億人になり、その後も減少し続けると予想されています。

人口減少が予想されている日本が国際競争力を維持するためには、一人当たりGDPを高めることが必要になるわけです。

【図表1:年齢別人口の推移<単位:万人>】

※2020年までは実績値、2025年からは予想値
出所:内閣府『令和5年版高齢社会白書』


<その2に続く>

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