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グロス利回りで不動産投資するのはやめた方がいい(その2)

不動産価格が高騰し、不動産の投資利回りが低下しています。「いつ買えばいいのか?」、「不動産価格は下がるのか?」と思っている人も多いでしょう。私は「早く不動産価格が下がってほしいなー」と思っています。
 
中国から退避した資金が日本の不動産に向かいました。利上げによって評価損が膨らむ欧米系ファンドが益出しのために日本の不動産を売却するケースも増えてきました。
日本は「もう少し下がったら買おう」と待機中です。
このような状況では、不動産価格が下がるのはまだまだ先になりそうです。
 
さて、投資用不動産は安定的な物件利回りが投資の目的です。日本においてはキャピタルゲインを狙う不動産投資よりもインカムゲイン重視の不動産投資が多いでしょう。
つまり、安定的な物件利回りが確保できない不動産には所有する価値がありません。
今回は不動産の物件利回りについて書いてみようと思います。
なお、この記事は不動産投資初心者向けに書いています。詳しい人は読み飛ばして下さい。


2.物件利回りと物件価値

 
収益物件の価値は「物件価値=物件純収益÷物件利回り」として計算します。不動産物件の評価には原価法や取引事例比較法もありますが、収益物件の評価では収益還元法を重視します。
 
収益物件を購入する投資家は「この物件のキャップレートは○%だから購入しよう」と判断します。
物件利回りは「物件利回り=物件純収益÷物件価値」として計算します。
利回りが低いほど物件価値は高くなります。
 
 

3.物件利回りに影響を与えるもの


 
物件利回りは所在地、築年数、物件種別などによって水準が違います。
都市部の物件ほど利回りは低くなりますし、築年数は浅いほど利回りは低くなります。

また、個人が購入するような区分所有(マンション・アパートなど)は投資物件と実需物件で利回りが違ってくるのも特徴的です。
傾向として実需物件(マイホームなど)の物件利回りは収益物件よりも低くなります。
実需物件の物件利回りは2~3%のものも多いでしょう。これは、実需物件(マイホーム)は投資物件に比べて割高だからです。
投資物件としては利回りが低すぎます。
 
中古マンションを購入してリノベーションをした後、販売する不動産会社があります。有名な会社ではスターマイカやインテリックスがそうです。
これらの会社は中古の入居者のいるマンション・アパートを購入した後、入居者が退去後にリノベーションを施して個人にマイホーム(実需物件)として販売します。
つまり、価格の安い投資物件を買って、価格の高い実需物件(マイホーム)として売ることによって利益を確保しています。

物件利回りの差を付いた事業戦略と言えるでしょう。

<その3に続く>

<その1はこちら>

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なお、不動産の投資利回りについて詳しく知りたい人は下記の書籍を参考にして下さい。


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